NPO法人地域デザイン研究会主催
2003フォーラム
「目覚めよ! 都市再生」
 〜公民NPOによる新たなまちづくり手法を求めて〜
開会の挨拶

藤田 健二(NPO法人地域デザイン研究会副理事長)

皆さん今日は。本日は、土曜日で、お休みの方も多い中、当フォーラムに多数お運びいただきありがとうございます。

私ただいまご紹介頂きました、NPO地域デザイン研究会副理事長の藤田でございます。

本来なら当会理事長の平峯からご挨拶すべきですが、後ほど、パネルディスカッションでコーディネータを務めさせていただくこともあり、代わって私のほうからご挨拶させていただきます。

大きくは2点ございます。

第1点目は、当「NPO地域デザイン研究会」についてでございます。

当会は、都市づくりに何らかのかかわりを持つ、関西中心の産官学の個人約150名で構成する同名の「任意団体地域デザイン研究会」(15年前に設立)を、母体とするNPO法人です。

当会では、「自立した人材」こそ、都市地域づくりの最高の資源であり、真の社会資本であると考え、社会参加を通じて自己実現を図れる「場と機会」の提供に努めています。

そのため各種のフォーラム、講演会や公開討論会、現地視察や街づくりシンポ等を開催しています。本日のフォーラムもその一環です。

また、住民、行政、企業、学界など、多様なまちづくりの主体を、効果的に、強力につなぐ専門家集団の「コーディネータ」として、活動範囲も関西に限らず、海外にも出向き、より良い都市や地域の姿、環境づくりに向け、積極的に提言支援し、幅広く発信、活動しています。 

当会は、皆さんのこれからの新しい生きがいを提供し、豊かな人的ネットワークの拡大を約束いたします。ぜひご入会をお勧めします。

次に、第2点目は、本日のテーマ「都市の再生」に関してです。

現在、国内外の社会経済情勢の激変の中、都市や地方を襲う様々な「衝撃波」は、現行の行財政や経済システム、また、社会制度の仕組みそのものをも、破壊してきています。都市や地域づくりからも、これまでの縦割りの補助金制度を中心とする中央集権システムは、一定の役割を終え、もはや終焉を迎えています。

特に、都市や地方での豊かで魅力ある生活の達成のためには、限られた「地域空間」の中で総合的視点からの政策とその実施が不可欠であり、そのため、次の2点が、今求められていると思います。

1点目は、国から地方への「細切れの権限委譲」でなく、国は、都市や地域の多様な主体が、自己責任の下で、その地域の伝統文化、風土の中で、人材を含む地域資源を生かし、自由に事業や時期の選択ができるよう支援し、必要な場所に必要な金を使えるよう「包括的な財源制度と仕組み」等を緊急に整備すると共に、大幅に都市地域づくりの権限を地方に委譲することが、基本要件であるということです。

次に2点目として、すでにある地域課題だけでなく、現在の法制度やその運用等により「公共と民間の役割の隙間」で発生し、見落とされている、多くの課題をきめ細かく見つけて拾い上げ、解決することは重要です。そのため、官公民の間を適切に強力に結びつけることで課題解決を目指す、いわば「草の根的組織と制度作り」は、今後益々重要となるということです。

その面からもNPOの今後の活躍は、大いに期待されます。

特に、関西、大阪は、都市成長の時代から「成熟」を見ずに「衰退」を抱え込み、複雑な「悪循環スパイラル」に落ち込んでいます。

今、関西や大阪の都市の再生や都市育てのためには、明るい危機意識を関西人が一日も早く皆で共有し、新しいパラダイムを持つことが必要です。また、それを支えるにはどんな制度や仕組みが必要か、また、それをいつ、誰が、どのような手法と負担で担うのか等に関し、現実的な解を作り出すことも大切です。

当フォーラムでは、そのような課題についても、何らかの手がかり、ヒントや提案がいただければと、期待しております。

本日はそういった意味からも、わが国の「都市改革の旗手」としての第一人者であり、現在内閣官房 都市再生戦略チーム座長を努められておられ、東京大学名誉教授、早稲田大学および慶応大学教授の伊藤滋先生を、お招きし基調講演をお願いいたしました。大変ご多忙にかかわらずご快諾頂き、本日の運びとなったところです。

また、その後の、パネルディスカッションにも先生にご参加いただきます。

パネルディスカッションには、「ゼロ分の一村おこし運動」や全国的運動へと広まった「ひまわりシステムの提唱者」であり、「輝く智頭町」の実現を目指されている「寺谷誠一郎智頭町長」さま。また、阪神大震災復興市民ネットワーク世話人であり、地元復興にご尽力されてきている「まちづくりコンサルタントの小林郁雄様」、また、コーディネータとして、

当NPO法人地域デザイン研究会の平峯理事長が参加し、大いに熱い議論があるものと期待いたしております。

どうか、フロアーの皆様方も積極的もご参加頂き、明日の都市再生に向け、当フォーラムが、実りあるものとなることを願いまして、私のご挨拶といたします。  (以上)


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