「現地シンポジウムin 松山」の記録

  日時:2023年2月4日(土)13:00~15:00

   場所:松山市 道後温泉 椿の湯 2階会議室 

   参加者:

    ・松山市 産業経済部 観光・国際交流課 瀬戸内・松山観光担当 主査 大隅 鉄平氏

        産業経済部 道後温泉事務所 主査 三神 正裕氏

    ・地域デザイン研究会(敬称略):岡村、小川、小山、立間、平峯、松島


(1)松山市の観光・国際交流課の取組み

 【松山市全体】

・松山市全体でのまちづくりは、市内周回電車+徒歩での、コンパクトシティを目指してきた。

・松山市全体の入込観光客は600万人/年、程度であったがコロナの影響で400万人弱に減少している。➡先ずは600万人/年に戻したい。

・入込観光客の内訳を四国以外で見れば、広島県からが多い。また、東京より関西圏が多い。九州は少ない。

・最近は遠方からの利用者に代わり近隣からの利用者が増えた(近隣県や、県内客)

・現在は修学旅行の利用も増えている。平日利用中心なので積極的に誘致した。

・きょう台湾からのチャーター便がコロナ後初めて来た。

・以前、客層はグループ客がメインであったが、最近は団体客も目立つ。

・高級化(客単価を上げる)を図っている旅館も出てきた。

・イベントでは俳句の夏井いつき先生の句会ライブ等が人気で盛り上がっている。多いときは1,000人規模のイベントになる。

・最近松山で流行っているのは鯛めし。中でも宇和島の鯛めし(ごはん+鯛の刺身+生卵)が人気。

・伊予鉄は頑張っているが厳しい経営と聞く(市の交通課が担当している)。

・現状のJR松山駅は余りに寂しい感じ➡近々建て替えを計画している。

【道後温泉】

・道後温泉の源泉は、従前は財産区が管理していたので、現在は松山市の資産(市営施設)になっている。結果、道後温泉の3館(本館、別館(飛鳥の湯泉)、椿の湯)は源泉掛け流し。

・源泉管理はすべて、市。枯渇しないよう市が管理し(実際の運営は地元中心の指定管理者に委託している)、他のホテル・旅館に有料で供給している。

・新たな源泉も、基本的に掘れないよう、松山市で規制・管理している。

・奥道後温泉は民間施設。

・コロナで温泉の利用者が激減(コロナ前:年間100万人(3館合計)➡現在:本館保存修理中(総工費26億円)もあり、20~30万人/年)し、公費を入れてもらい存続している。それまでは3館合計若干の黒字運営ができていた。

(2)課題と解決方向

・市内電車、バスは、採算性だけで存続を考えるのでなく、街(観光)の標準装置として、行政負担も含め考えるべき。今は、縦割り行政で、施策の総合化ができていない

・来訪者のターゲットをどこにするか?近隣重視とするのか?インバウンドをどう位置づけるのか?それによって施策が変わってくる

(3)番外編(愛媛大学松村さんとのお話)

・松山は定住魅力にあふれた街(松村さん自身も永住する予定である)

・愛媛大学、松山大学は卒業後、地元就職が多い。特に、松山大学出身者は、地元企業の経営者が多い ・松村ゼミでは昨年3月に3期生が卒業しているが、これまで約半数は地元に就職している。

・都心マンションには、かつての郊外民間開発の住民が都心に戻ってきている

・大学が、松山市以外の中小の都市ともコラボする機会があるが、中小行政の方でも魅力的な人材がいて、学生の良い刺激になっている。

(4)あとがき

以上、小川さんが企画してくれたお陰で、松村さんにも会うことができ、いい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

 簡単なメモですが、地域資源を活かした、地元ならではの取組みをされており、権限、財源があれば、もっとおもしろいことができるのではと思いました。 



道後温泉(飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)):道後温泉本館を補完する2か所の温泉のひとつ

道後温泉(分湯場):温度と湯量の異なる泉源の湯を混合して、適温の湯量を供給する施設

道後温泉本館旧入口側:又新殿(ゆうしんでん)入口側(所謂正面側)は改修中の為、受入れ枠が少なく、入湯には予約が必要であった

大街道商店街:松山随一の商店街(江戸時代からあった用水路を埋め立て、大正時代初期にできた広幅員の商店街。1982年にアーケード化)



銀天街商店街:大街道と伊予鉄松山市駅を結ぶ嘗て繁盛していた商店街(今はさびれていた)

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