日時・場所 |
平成18年6月3日(土)16:00〜17:30
神戸市中央区波止場町 |
参加者 |
岡村、小川、梶、鎌田、小西、茂福、高岡、友田、仲西、新島、藤田、三角、宮内、吉谷(計14名)※50音順 |
テーマ |
ミナトは昔も今も夢と未来へ向かう
「創造」と「発信」のステージ |
視察場所
(話題提供者) |
神戸波止場町TEN×TEN(テンテン)
NPO法人 神戸グランドアンカー 理事長 村上和子様 |
記録者 |
梶 弘延(寝屋川市) |
内容説明 |
@地区の概要
◇経 緯
- 神戸は開港以来、ミナトとともに発展を遂げ、国際色豊かで個性のあふれる文化圏を形成し、多くの神戸ブランドを育んできた。
-
しかし、バブル崩壊による経済の低迷、少子高齢化等の社会経済情勢に更に追い討ちをかけた阪神淡路大震災による大きなダメージを受け、神戸はかつてない危機を向えることとなる。
- 「NPO法人
神戸グランドアンカー」は、神戸のまちの持つ歴史的DNAを活かしながら、既存施設の再生や再利用を図り、人が主役となってまちを動かしていくための、環境・拠点・人・もの・産業・イメージづくりを実現すべく2004年1月に発足した。
「TEN×TEN」の外観 |
-
活動のキーワードは「シーサイドマリンツーリズム」。神戸にいつ訪れてもいつも違った感動や発見があり、知的メッセージの発信がある。出会い、感動、発見、機会、ミナトの輝きと驚きを形にして人々に伝える、次世代に向けた神戸観光のキーワード。
- 「TEN×TEN」はその拠点として、倉庫「神戸国産上屋1号」「神戸国産上屋2号」を改修・整備し、2006年2月23日にオープンした。
◇所在地
- 神戸市中央区波止場町6番5号
(徒歩:JR元町駅から8分 阪神西元町駅から5分 阪急花隈駅から5分 地下鉄みなと元町駅から2分)
◇TEN×TENの意味は…
-
起点の点、展示・展開・発展の展、青空の天、店舗の店、フルカウントの10、そして10×10=100人のクリエーターといった意味が込められている。
◇施設概要
月間誌「TEN×TEN」 |
-
ガラス工芸、木版画、ファッション、染色、皮細工、木工、建築デザイン、アクセサリー等、多数(100人以上)のクリエーターのものづくり、発表展示、交流、販売など、文化・経済活動の拠点である。
-
施設内容は、クリエーターブース(10〜30u、1人〜数人使用)が62、展示・発表などの多目的スペース(壁画ホール、土間ホール)が260u、その他(飲食など)。
-
クリエーターと来訪者が、また、クリエーターどうしが交流することで、新しい発想やエネルギーが生まれる『クリエーション&ビジネスチャンス』の場でもある。
Aまちづくりの活動
◇NPO法人 神戸グランドアンカーの主な活動
- 「KOBEみなとの絵大賞(ミナト写生会)」 の開催(2004〜)
「KOBEみなとの絵大賞」
受賞作品ポストカード
|
- 「都市再生プロジェクト推進調査」の実施(2004.7〜2005.2)
- 「神戸港の賑わいと活性化に関する」 アンケート調査の実施(2004.11〜12)
- 神戸市国産上屋1,2号(倉庫)の文化交流施設整備・運営事業者として神戸市から選定(2005.6〜)
- 神戸波止場町TEN×TENオープン(2006.2)
◇「TEN×TEN」での活動
- 各種イベントの実施(クリエーターと音楽のライブ、展示等)
- ワークショップの実施(アクセサリー、陶芸、彫刻等)
- ミニコンサートの開催(壁画ホールにて毎週開催)
- 週クリエーター(1週間だけクリエーターブースを利用できるシステム。これを足掛かりに常設に移行することも可能。)
Bキーパーソン
-
「神戸グランドアンカー」理事長の村上和子氏が仕掛け人、かつ、キーパーソンである。また、同事務局長の大八木氏が行政(ハード整備等)との窓口や各クリエーターの調整役等、見事な「セコンド役」を果たしている。
C官民との係り
- 都市再生モデル調査の選定(国)
- 施設整備に対する補助(市(国))
- 施設(倉庫)の貸し付け(市)
- まちづくりに関する各種(アンケート調査等)業務委託 (国・市)
- 各種イベントの後援等(国・市)
Dその他
「神戸波止場町TEN×TEN」
公式HPトップページから |
- 100人のクリエーター集めは大変であったが、地元で話をまとめていくと失敗するので、近畿中心に地方(海外)にも声をかけた。
- 結果的に集まったクリエーターは、異業種、異年齢(幅広) で初対面がほとんどであった。
- 過去を知らない者どうしだからこそ心から優しくなれる。
- 異業種だから利害関係がない。
- 熟年者は若者から刺激を受けるなど、コラボレーションにより新しいものが生まれている。
※行政には困難な発想と展開が成功のカギ
◇周辺施設(ハーバーランド等)との連携は…
村上理事長(中央の女性)からの話題提供
(一番奥が大八木事務局長) |
- 周辺施設との競合を避け飲食店を極力少なくしている。
※徒歩での異動は困難な距離であり、回遊性は期待できないのでは…との意見も
◇PR方法は…
- アナログ(マンパワー=くちコミ)こそ最大の力である。
- 来訪者の皆さんにこのまちで受けた感動を伝えてもらうことを期待している。
※村上理事長のキャリア(メディア出身、神戸山手大学キャリアコミュニケーション学科教授、審議会等委員、講演活動等)を活かしたPRがくちコミとなって広がっている
|
問題・課題 |
- まち(市)全体の集客施設の配置、人の回遊性が重要な要素となる。NPOだけで頑張っても限界がある。
-
地元企業・商業との具体的な連携が薄い。立ち上げの際には「成功のカギ」となったが、「みなと=神戸」の発展を考えた場合、課題となるのではないか。
- 港周辺施設(ハーバーランド等)との連携による回遊性が課題である。徒歩での移動は困難な距離である。
|
提 言 |
- まち(市)全体(の集客施設の配置、来訪者の回遊性等)を考え、マネジメントしていく組織(行政、NPO同士の連携など)が必要である。
- 港周辺施設の回遊性を高めるため、公共輸送手段(周回バスの運行など)の活用を検討する。
「TEN×TEN」のスタッフの皆さんと |
|