MEMBER'S SQUARE

スローライフと街づくりで楽しく暮らす

井上洋和

 昨年1月にゼネコンの現役を引退して、2月に11年間の東京生活を締めくくり大阪に戻りました。地デ研には泰山塾時代からお世話になっており潮騒の投稿記事は50代突入時に「団塊世代のサラリーマン物語」、東京赴任後に「思えば遠くに来たもんだ」に投稿し、今回で3回目となります。

 「潮騒」がインターネットに掲載されているのを知らず、私の個人名で検索すると2件がヒットし、当時は社内で良くも悪くも話題になったものです。大阪に戻り平峯代表に挨拶に伺った際に復帰を勧められ11年間のブランクを多少は気にしましたが、シンポジウムに参加すると高齢化?した昔のメンバーがそのままで、私にとっては10年ぶりの同窓会の様相で主目的の懇親会では昔に返って美味しい酒を味わいました。大阪時代は「東京が何ぼのモンや」と突っ張っていましたが、東京に行くと関西圏と首都圏のマーケットの違いに加えて海外を含めて全国の情報が集中することから、大阪は福岡、名古屋と同列の地方都市にしか見えませんでした。また、東京では関西弁が大手を振って通用しているのも、東京一極集中で関西人が如何に多数移住しているかの実感も味わいました。個人的には、東京では会話の中で「僕」といいますが、出張で大阪に戻ると新大阪から自然に「俺」にかわるのも愉快です。退職後は、長年放置していた井上家の長男としての整理、年金事務所、市役所へのクレーマー活動に時間を要しましたが、体力維持も考えて週の労働時間20時間を目標に仕事らしきものをスタートさせつつあります。しかし収入がほとんどないのに前年年収を基準に税金、健康保険料が課されるのに腹立たしい想いです。ゼネコン時代とは違い今は自由人ですので市役所に出向いて「生活保護を受けようと思っているのに、高い税金を取るのはどういうこっちゃ」とゴネると、健康保険料が年間で18万円近く下げてくれたのは痛快です。

 一方、2月に大阪に転居したものの1月1日現在住民登録の東京都世田谷区に1年間税金を払うのは住民サービスを受ける堺市には申し訳ないと迫りましたが、「ルール」ですからとのクールな返事。IT化が進んでいるのに時代遅れのルールです。団塊世代が大挙して大阪に戻ってくるというのに、これでいいんですか、橋下さん。

 大阪時代には区画整理等の街づくりに携わったこともあり、東京では区画整理促進機構の理事も経験しましたので、老後は再度、面開発に挑戦すべく技術士事務所を設立しコンサルタントの技術顧問として獲物を物色しています。また、東京時代の人脈で土木屋ではなく投資会社の顧問としての手伝いもはじめ、傘下の洋菓子メーカー、輸入雑貨の口利き商売も面白く取り組んでいます。

 そうそう東京時代で面白いのは、パーティー等で壁際で一人寂しく水割りを持って立っている人に声をかけると必ず地方出身者で、たちまち仲良くなります。異業種の団塊世代を集めて「子丑寅会」を主催しましたが半数が関西人です。知り合った得意先と「大阪府立高校出身者の会」を作ってみたり、「天王寺高校出身者の会」も盛況で楽しい11年間でした。東京では私的な懇親会は木曜日になります。理由は、金曜日は多くの単身赴任者が帰郷するという事情があり、東京ならでは特殊事情です。現役時代の実務でも同様ですが、私的な会についても継続させるには、いかに世代交代させるかが大きなテーマです。また、大したことはないにしても自分の人脈、知見を墓場に持っていくのではなく、いかに若い世代に残していくかも、地デ研、高齢者の務めではないかと考えています。

 それにしても泰山塾時代の若手、中堅の熱い想いを今の時代の若者に理解してもらうのも一苦労です。皆さん、64歳のわがままな高齢者を今後とも宜しくお願いします。


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