私の一冊
ストラスブールのまちづくり
ヴァンソン藤井由実著 学芸出版社刊
推薦者 鎌田 徹
ストラスブールには、私も枚方LRT研究会の一員として、1999年に視察旅行している。LRTと街とがうまく調和していて、トランジットモールのところは、人も沢山出て賑やかであり、そこへきれいな形をしたLRTが滑るようにして入ってくる。中心街の駅(HommedeFer)は、丸い屋根で親しみのもてる形をしている。まさに、人が中心の町と感じた。
ストラスブールには、多くの路面電車ファンや、まちづくりに関係する人が訪れ、いろいろ報告されているが、この「ストラスブールもまちづくり」は、その集大成ともいえる。この本を通じて
元市長のトロットマン氏は、哲学者であり、ストラスブールはこうあるべきという理念を掲げて選挙を戦い、当選して、これを行政に指示して実行した。理念先行。
周辺の自治体と合わせ、CUSという共同の自治体が形成され、行政権限と徴税権を有していること。地方分権。
実行するにあたって、各分野における担当者たちが、絶えず市民との対話。接触を通じて、その意見を聞き、説得しながら都市計画を実行に移してきた。市民との対話、職業的専門家の存在。
旧城壁内の中心市街地は歩行者天国になっている。
これらのことが、11年間のストラスブール在住の経験から詳細に述べられている。 都市づくりを考えるにあたって、大いに参考になると思われる。
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