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■ 次世代の新規加入について

 次世代の方々に地域デザイン研究会への加入を奨めていますが、我々の世代とは違い、決められた仕事以外の余分なことはしないとの風潮を感じます。現在のメンバーを見ても、特に民間企業人が少なくなっています。鉄道会社他の公益企業からの参加は激減しています。

 私が参加させていただいた時は、産官学共に40代の課長クラスの実務者が大半を占めていました。草創期のメンバー皆が偉くなりすぎて次世代が遠慮しているのかも知れません。振り返ると、当時の土木学会は若手には重過ぎるとの思いが私にもありました。若い世代はアフターファイブには付き合わないという風潮もありますが世の中の業績成果主義、マニュアル化、デジタル化が次世代に浸透しすぎたのかも知れません。ゼネコン在籍時代にも全国の現場を指導しましたが、現場の若い社員がパソコンの前に座って現場にほとんど出ない、色の白い社員が増えています。情報・知識はインターネットを介して自由に確保できる。些細なことも電話ではなくメールでやり取りする。技術計算もインプットとアウトプットのみで中身の試行錯誤がなくなっています。余りにもデジタル化、マニュアル化が進み過ぎたのが逆に弊害を招いて個性を無くしています。

 土木工学は学問といっても経験工学の積み重ねであり、特にマニュアルに無いイレギュラーな場面での対応が腕の見せ所です。学識経験者という言葉がありますが学識と経験を兼ね備える人は少ないはず。学識「無経験者」と「無学識」経験者の切磋琢磨であるべきです。現場では五感で感じ取るという事も皆無となりました。「無学識無経験者」のアナログ的若手育成も、社会だけではなく地域デザイン研究会の存続のテーマと思えてなりません。          (堺の隠居)


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