河南町 地域公共交通調査・研究パートナーシップ事業

~最近の活動~

 河南町からの「公共交通を何とかしたい」という願いから、平成21年度に始まった「河南町における地域公共交通調査・研究パートナーシップ事業」。平成24年度には実験バスの段階に入り、25年度には河南町地域交通検討会議が発足、全町レベルの交通問題解消へ向けた舞台が整った。平成24年度以降の取り組みについて紹介する。(文責:鎌田徹)

■実験バスを1カ月実施


実験バス:河南町役場前から乗り込む中学生

河南町ホームページより

 平成24年度には、さくら坂・鈴美台地区で「さくら坂・鈴美台地区の地域公共交通を創る会」が主催し、河南町・地域デザイン研究会パートナーシップ事業の支援による「実験バス」が実施された。ここに至るまでには、地デ研の支援・協力のもと、度重なるワークショップが持たれ、運行ルート、バス停、時刻表などが計画されたという経緯がある。名称は地区住民からの公募・投票により「さくらバス」と決定。期間は平成24年10月1日~31日の1カ月。バスは町所有のやまなみバスを使用、主体は「創る会」で、運行はパートナーシップ事業から(株)ジャパン・リリーフに委託するかたちで行われた。運賃は無料である。

 準備にあたって、時刻表など記載した「さくらバス乗り方ガイドマップ」、手作りのバス停、沿線のお店マップ、バス停付近の調整等すべて「創る会」のメンバーが行った。この盛り上がり、エネルギーには驚くものがあった。結果として全体で2,201人の利用(1日あたり79人)があった。

 実験期間終了後、全地区住民を対象にアンケートが実施された。利用目的で特に多かったのが「万代」、次に河南町立中学校からの下校であった。中学とさくら坂とは高低差が大きい(約120m)ためと思われる。

■地域公共交通検討会議が発足

 平成25年度には、河南町の地域公共交通を如何に改善・構築していくかということを検討するため、河南町地域公共交通検討会議が発足した。ようやく全町として、交通問題に取り組む舞台が成立した。メンバーは、学識経験者2名(平峯氏=検討会会長、小川氏)、住民の代表(区長会会長)1名、地域福祉の推進に関わる団体の代表1名、交通事業者2名(金剛バス、近鉄バス)、町及び関係行政機関(近畿運輸局、大阪府、河南町)、公募委員3名、その他町長が必要と認める者(創る会会長)で構成された。

 第1回の検討会議は7月26日に開催され、これまでの経過の報告、地域公共交通に係る現状と課題について説明され、討論された。

 河南町の課題としては、

  1. 高齢化や居住エリアの拡大に伴い、住民のモビリティ確保に対して、公共性・公平性・効率性の視点からバスネットワーク、サービスレベル、財政負担のあり方などを明確にすることが必要、
  2. バス離れが加速する負のスパイラルから脱却し、バス交通を「都市の装置」として維持・充実していくことが必要、
  3. 町とバス事業者が連携しながら、住民、利用者のバス利用に対するニーズに的確に対処したサービス改善の諸施策を展開していくことが必要

 今後3回の検討会議を持ち、今年度は、地域公共交通計画案を策定し、26年度の取り組み方針を検討することにしている。


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