読者の声

ニュータウン&その周辺ウォーク雑感

 私は、ニュータウン開発に携わったOBのウォーキング・グループにも属している。グループの例会は、2月、8月を除く年10回。次回は第144回。15年目に入った。当初は、芦屋から有馬に抜ける六甲山横断コース等健脚コース中心だったが、メンバーの平均年齢も毎年上がり、それに反比例して里山から街道、河川沿い、琵琶湖周遊等だんだん高度差のないコースになってきた。遊びにも、高齢化問題が起きている。担当となったリーダーは、坂道の難易、トイレや雨天時の昼食場所の下見に赴く。中でも一番難しいのが午後4時前後に開いている反省会場の確認だ。


北摂ニュータウン

名塩

 天王寺から大阪までの環状線沿いウォークの時のこと。弁天町駅でギブアップした2名は、それぞれどこやらを経由して、4時予定の反省会にはちゃんと出席。反省会は毎回にぎやかだ。花より団子、歩きより酒。足は衰え気味でもこちらは現役当時そのまま。ひと月振りに汗をかいた爽快さに、過去に苦労を共にした一体感と当日の共通経験が加わって、話が弾む。まさに自分の居場所が感じられるコミュニティだ。

 コース選定もリーダーの課題。この3年間は、かつて携わったニュータウンとその周辺地域を中心に歩いた。街の品格を感じさせるのは、まず道路・公園の量感とその設え、そして管理の良否だ。歩行者系の道路と公園がうまくネットワークされ、アイ・ストップ等も意識的に配置されていれば楽しくなる。開発コストにかかわる事柄故に、新住事業か区画整理事業かの事業手法の違い、事業者の先買い率の違い、そしてなにより右肩上がりの地価上昇に乗れた地区か否かが大きくかかわっている。また、画地規模とセットバック、駐車スペース・生垣等の外構のコントロールも重要だ。

 一方、街開き当時との比較では、公園で遊ぶ子供の姿が少ないこと、特にセンターの衰退と変容はさびしい事項だ。時間が経過したことで木々が成長したこと、何より新旧の開発の境界線が薄れてきたことも街の熟成を感じさせてくれる。 生垣の手入れをしている住民の姿を見て、地区計画・緑化協定推進のキャッチフレーズを思い出した。「ぼくのお家も風景の一つ」-住む人の地縁コミュニティ意識を育むそれだ。               (M.K)


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