私の一冊

ソーシャルデザインの教科書
村田智明:著
生産性出版:発行
推薦者:大戸修二

 私の所属するNPOのメンバーでもある村田智明(ムラタ・チアキ)氏が、『ソーシャルデザインの教科書』を5月に発刊した。

  「ソーシャルデザイン」とは、様々な社会的課題に対し問題点を明らかにし、その解決策をデザインする行為。キーワードの1つが持続可能性で、村田氏が冒頭の事例として示すのが、1300年以上も連綿と続けられている式年遷宮の儀式。技術と文化の継承が「人材育成と雇用の場づくり」につながっており、「式年遷宮の儀式は持続可能性を追求してつくられた見事なグランドデザインだった」と語る。狭義でない、広義のデザイン思考の重要性や、問題解決のプロセスを分かりやすく解説している。

 後半では、ソーシャルデザインの考え方を理解した上で、仕事、ライフワーク、研究などに取り組んでいる人たちの様々な事例を紹介。その中で従来型システムの問題点などを考察。それをソーシャルデザイン思考でどのように変革するのかを「BEFORE」→「AFTER」の形で可視化して表している。

 今後の地域づくり、まちづくりにも大いに役立つヒントが詰まっており、ぜひお勧めしたい「私の一冊」である。


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