読者の声

夏の風物詩

 季節感を表すモノやコト。四季折々の風物詩は地域づくりに欠かせない。夏の風物詩として、今年一番に挙げたいのは先日終わった「大相撲名古屋場所」で、連日の熱戦を見入り、久しぶりにテレビの前で釘付けになった。力士の顔立ちや動きも鋭かったし、4回の札止め、10回の満員御礼もそれを物語っている。

 じつは名古屋は私のふるさとで、子どもの頃から大相撲見物に時々通った。本場所格上げ後の当初は金山体育館(1958年~64年)での開催だった。飛行機格納庫を改造したという体育館は、窓も少なく空調設備がなかったため、場内は蒸し風呂の暑さとも言われ、団扇・扇子は見物人の必需品だった。

 その後、名古屋城内二の丸に空調付きの愛知県体育館が完成。当時私のごひいきは、地元愛知県出身の玉乃島(後の玉の海)で、小柄ながら技のきれる鋭い相撲を気に入っていた。70年春に北の富士(現NHK解説者)と同時に横綱昇進。71年名古屋場所は玉の海が優勝、秋場所は北の富士が優勝し、北玉時代とも言われたが、残念ながら玉の海は急逝してしまった。

 時は経て四十数年、今年の名古屋場所は閑古鳥が鳴いていた数年前とは異なり、大相撲人気が再燃した。白鳳の30回目の優勝で幕を閉じたが、今の私のごひいき力士、豪栄道と妙義龍も大活躍。豪栄道は大関昇進を決め、妙義龍も久しぶりに三役復帰の見込みだ。この二人、往年の玉乃島に似ているような気がしている。

 名古屋場所が終わった大相撲は、暑い夏巡業へと入る。各地の町を浴衣姿で歩くお相撲さんは、古今東西、やはり夏の風物詩である。大阪出身の豪栄道には、「大和魂」を発揮し、ぜひとも頑張ってほしいと思っている。              (シオマネキ)


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