MEMBER'S SQUARE
「釜石大学 夏期セミナー」に参加して」
阪神電気鉄道 不動産事業本部
技術部顧問 立間康裕
毎年、釜石を中心に東北被災地を視察訪問しているが、今年は8月27 日~ 30 日の4日間、関西大学の三谷真先生からの声掛けもあり、「釜石大学夏期セミナー」に参加。道路について話題提供をするとともに、町づくりなどについて意見を交換した。また、空いた時間を利用して周辺地域の視察をしてきたので、概要を報告したい。
<釜石大学夏期セミナー>
今年初めての取り組みであり、これまでも熱心に東北復興支援に取り組んでいる「神戸復興塾」(神戸まちづくり研究所)が主催し、釜石のNPO であるアットマークリアスNPO サポートセンターが共催。8月26 日~ 30 日の5日間、「みんなの家」(NPO が管理運営)で開催されたイベント的な意見交換会、交流の場である。
震災や町の復興について、いろんな分野の方々から話題提供を受け、地元の方々と意見交換を行い一緒に考えることを目的としており、期間中2つのテーマ(各2時間)で実施された。参加した3日間では、「地方鉄道と町づくり」、女子大生による「釜石のオリジナルお土産」等の話題提供があり、「道路の役割と新しい技術」について話題提供を行ってきた。 毎日20 人ほどの参加があり、市民や地元商店街の方々のほか、テーマによっては三陸鉄道社員や釜石市役所の方々も参加され、それぞれの立場から多彩な意見が出された。地方都市としての課題や地域性の違いなども話題に上がり、厳しい環境にあることが再認識された。
陸前高田市(コンベアと奇跡の一本松)
釜石市((半島漁村の復興)<被災地各地の状況>
セミナーは16 時からなので、空いた時間を利用して被災地を見て回った。
陸前高田市:旧市街地の西にある山を削り、ベルトコンベアで盛り土を行っているが、14.2m の盛り土に5 年を要すると聞き、復興のスピード感に疑問を抱いた。また、土地利用計画が住民にうまく伝わっていないようで、 CM 方式の弱点かも知れない。
大槌町:「ひょっこりひょうたん島」のモデルである蓬莱島まで防波堤がつながっており、初上陸ができた。復興整備はまだまだこれからの状況で、やっと盛り土が始まったところである。
釜石市:中心市街地にも少しずつビルが建設されてきている。イオンが今春にオープンし、仮設商店街など今後の商業環境が課題である。三陸鉄道で大船渡市(盛)まで行ったが、半島部の漁村でも復興事業が始まっており、少し安心した。