私のスケッチ帖34

金田徳蔵「鉄道のある街」XII

和歌山電鐵・貴志駅

 6月28日に行われた「たま駅長」の社葬には、約3000人が参列した。駅隣の商店の入り口で堂々と寝そべっていた猫。あれから10年が経ち、駅の歴史に残る、乗降客の駅にした猫の葬儀だった。 南海電気鉄道が赤字路線として、2004年9月に国土交通省に廃止届書を提出。「貴志川線の未来を“つくる”会」の活動により、県、和歌山市と貴志川町(当時)が存続で合意。事業の引き継ぎ先を公募し、県、市町は貴志川線を支援することを公表した。

 2005年4月に両備グループの岡山電気軌道が選ばれ、和歌山電鐵(岡山電気軌道100%出資)が設立され、2006年4月から同社のもとで運行されている。

 現在、「いちご」電車、「たま」電車、「おもちゃ」電車、「きぃちゃん」電車と、楽しい遊園地の電車同様に観光客(特に外国人の観光客)を運んでいる。グッズの売り上げも増えているが経営状況は厳しい。開業から10周年を迎え、従来の自治体による運営補助の支援最終年となった。今後も支援のあり方、自立運営などの課題が続く。


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