読者の声

■最近思ったこと

 現在、立地適正化計画、いわゆるコンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくり計画の策定を行なっている。市自体は密集市街地が多く、市街地の大部分が40人/haを上回る高い人口密度となっているので、既にコンパクトなまちではあるが、国庫補助金等の重点化と、人口減少・少子高齢化社会に対応すべく作成することとなった。

 その前段の基礎調査の内容を見て改めて驚いたのは、市域の西部は洪水ハザードマップによると淀川堤防が破堤したらほぼ冠水し、液状化マップにおいても最高液状化の危険度であるPL値25が淀川周辺に点在している。また、東部の丘陵地においては土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険箇所が点在し、土石流危険渓流地域が一部にあり、更に、断層や橈曲などの活断層が南北に走っている。

 安全な地域はどこにあるのか?これは本市に限らず大阪府全域においても同様の状況であり、特に沿岸部においては津波の心配もする必要がある。

 それらに対抗するのが土木の力であり、河川の氾濫に対しては堤防やスーパー堤防、津波対策では防波堤、浸水対策では貯留施設や増補幹線等、土砂災害等に対しては擁壁や砂防堰堤等の整備を行なっている。また、建築の力では地震の度に建築基準法の改正により基準を厳しくし、耐震構造だけでなく免震構造、制震構造となり、そのために益々解体工事に時間と金額を要するようになってきた。

 それでも、何十年かに一度の大雨が頻繁に起こり、震度7以上の南海トラフ大地震は30年以内に70%程度の確率で発生すると予想されていることに対しては、防災から減災、公助から自助、共助といった、災害等が発生した場合に、被害を最小限に食い止め、自らがいかに生命や資産を守るかを考えることとしており、最終的には自然の力には勝てないようである。(T・S)


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