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西日本豪雨災害に思う

 6月28日から7月8日頃にかけて、西日本を中心に大規模な豪雨災害が生じた。7月24日時点での被害状況は13府県におよび、死者は219人、行方不明者12名になっている。

 岡山県倉敷市真備町では高梁川と小田川による氾濫があった。真備町の4分の1にあたる1,200haが水没。ほぼハザードマップにあった場所が水没し、死者は51人に上る。家屋の浸水、崩壊もあり、被害は計り知れない。ハザードマップにあったのなら、速やかに堤防を補強するなど河川整備計画を立て、整備すべきと思われるがそれがどうなっていたのか。

 東洋経済オンラインによると、小田川の高梁川への合流点を4.6km下流に付け替え、合流部分の洪水時の水位低下を図るもの。その後水島工業地帯への利水のため、合流点に堰堤を設ける案が出たり、紆余曲折の上、2007年8月に堰を除いた小田川の改修工事の基本方針が、2010年には具体的な整備計画が策定された。それから約10年が経って、今秋から着工することになっていた。もっと早く整備されていたら、51人の犠牲者は助かっていたと思われる。高梁川流域では、これまで洪水被害がなかったのではない。戦後11回洪水被害が出ている。

 これだけの被害があって、ハザードマップも明らかにされていて、なぜ改修工事が遅れていたのか。1つは国の予算不足があると思う。日本の治水対策事業費は整備費用が1990年代に比べて半減以下の年間7000億円~8000億円規模となっている。計画的な治水対策事業が行われているとは思えない。公共事業が低く見られてきたツケがここに来たと思われる。国は国土を守るため、しっかり予算を確保しないといけないと思う。治山治水に一番の責任を持つのは国だから。

 さらに、「ボランティアが足りない」というような話が出ている。冗談ではない。国は直ちに臨時補正予算を組んで復旧・復興に全力を注ぐべきである。災害が予想される場面で、赤坂自民亭などやっている場合ではない。

参1)真備町を襲った洪水は長年の懸念事項だった<https://toyokeizai.net/articles/-/229682>

参2)治水の後れは国家の怠慢だ 京大・藤井教授<https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34138730U8A810C1000000/?fbclid=IwAR16BbzBMKaKOjhzgz-Zv3eyZRmPDyOu1YnOev02kCnDDmD-y1TiGN68tpU>


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