私のスケッチ帖47 金田徳藏
「鉄道のある街」 XXV
京阪電鉄・萱島駅
京阪電気鉄道京阪本線萱島駅は、寝屋川の真上に、明治43年(1910年)京阪本線開通と同時に開業している。
駅建設時には、「駅ができると、若い衆が町に遊びに行くようになる」という理由で村が押し付けあった結果、駅を寝屋川の真上につくったようです。現在、駅の3、4番線ホームには、推定樹齢700年の楠木がホームと屋根を突き抜けて生えている。この楠木は萱島神社の御神木で、昭和47年(1972年)の高架・複々線化工事に際し伐採の予定であったが、保存を望む声が盛り上がり、残されたものです。
萱島神社は、この一帯の「萱島流作新田」の祖神を祀るため天明7年(1787年)に祀られた神社であったが、明治40年(1907年)に廃社となった。
京阪本線の高架・複々線化の予定地の楠木を保存することとなって、ホームと屋根を楠木が突き抜ける形で駅がつくられた。
楠木のある駅の下の敷地に京阪電鉄が社殿を造営・寄進し、昭和55年(1980年)「萱島神社」として再興されたのです。
開業時は、1軒の家もなかった駅周辺もビッシリ家が建ち、1日乗降客数2万6千人となっている。