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旅ゆけば・・・

世界遺産五島列島の旅

高橋秀一郎

名簿の趣味欄に「旅行」などと書き、夫婦でのヨーロッパ旅行や国内温泉巡りのほか、異業種仲間によるアジア街歩きツアーなどに毎年のように出掛けてきた。後者は元々「CITEさろん」のメンバー有志で始めたものだが、年齢、健康、日程などの問題により、近年は国内ツアーが定番化しつつあり、今回は最少4名の参加で11月1日より2泊3日の五島列島の旅となった。

自然と歴史、地場の味覚に加え好天にも恵まれ、世界遺産登録決定の潜伏キリシタン遺跡などが点在する島々は観光資源申し分なしだが、一方では今後も地域振興が一筋縄では行かないのではと感じさせる点も。

まずはアクセス。結構遠いばかりでなく容量も十分とは言えず、長崎空港経由の往復を目論んだ我々も、帰りは福岡空港・新幹線経由を余儀なくされた。次に観光スポットが各島内に点在しているローカルアクセスでも、高速艇、フェリー、海上タクシー(=写真)や路線バス、観光タクシーなど、様々あるように見えるが決して十分とは言えない。ちなみにレンタカーは事前予約が必須とのこと。

現地滞在中には、島間フェリー運営受託会社の経営破たんと運休という地元ニュースにも触れ、止まらぬ人口減少の中での地方の課題を目の当りにした。また、世界遺産「頭ヶ島天主堂」(=右の写真)直近の上五島空港が休港状態となって既に12年、観光用パーク&ライド基地としてのみ活用されているのを見ても、観光客にも地元にも満足のいく交通インフラ整備・運営の難しさを改めて実感した。

最後に観光タクシーのドライバーに紹介された上五島国家石油備蓄基地、既に30年近くも巨大な洋上タンクが地域振興に与えた影響を思い、さらに30年先は?と疑念に駆られたのも事実。

いささかネガティブな感想のみ記したが、10年後くらいに再度訪れるのも有りと思った五島列島だった。


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