旅ゆけば・・・

パリの露天商は移民

道下弘子

最近は遠くに行っていないので、古い写真を繰ってみた。

2005年12月、パリはクリスマス商戦真っ只中だった。デパート前のアーケードで焼き栗を買った写真があった。売っていたのは明らかにアラブ系の親子。当時はとくになんとも思わなかったが、移民である。ぬいぐるみの露店が写った一枚にはアフリカ系の売り子がいる。美術館で、座り込んで校外授業を受けていた生徒らはみんな白人。アジア系の旅行者は日本人が多く、中国や韓国人は今ほど意識にのぼらなかったので、たぶん多くなかったと思う。

で、いまのフランス。人口(2017年)は6677万人で、移民は790万人。写真の2005年時点では人口6273万人で「外国生まれの人口比」は11.3%だから708万人と、大きく増加したとは言えない。しかし、(国籍を取得したと考えられる)移民1世とその子供たちは1300万人と、総人口の2割以上を占める。パリで働く彼らは郊外の住宅団地に居住しているらしい。

この写真当時、日本で移民といえば中国・韓国系やフィリピン、ブラジル人で、我が社にも香港からの「ええとこの子」が働いていた。かつてはお国が違えば移民の出身国や民族も違ったが、今後グローバル化が進むと、どんな移民構成になるのだろうか。

東京に行く折には、ネパール人の多い荻窪や蒲田、埼玉県西川口や千葉県稲毛海岸の「チャイナタウン」を一度見て回りたい。 


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