私の一冊

看る力 アガワ流介護入門

阿河佐和子・大塚宣夫:著 <文春新書>

推薦者:鎌田 徹

 この本は介護の現実に直面しているエッセイスト・阿川佐和子と、医者の立場から介護に携わる大塚宣夫の対話集であり、読んでみるといろいろ学ぶことがある。私も老老介護の年齢に達するようになって、改めて目からうろこの数々である。 例えば、「好物は喉に詰まらない」とか、「馬鹿にしない、怒らない、とがめない」とか、「認知症でも一人暮らしを」とか、「自分が必要とされる状況をつくる」、「恋は長寿の万能薬」、「入院中でも酒はOK」など。 十分に自覚しているところだが、「75歳が節目」だそうだ。大塚先生でも75歳になって物忘れがひどくなり、同じ話を何回もしたり、同じことを何回も聞いたりするようになったという。体調自体もガクッと落ちたとのこと。 私はすでに遅しの感があるが、若い人には今のうちに読んでおくべき本だと思う。自分のためにも、親御さんの介護のたにも。


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