わが街紹介

〜福井県 勝山市〜

MTM健企画 道場健一

「わが街紹介」という題材依頼には、少々頭を悩ませました。

 40代の今の自分は何を紹介して良いのかと思い悩みながらですが、自分の育ったところを懐かしく思い、離れていた故郷を客観的に見て紹介してみようと考えました。

 私が住む福井県は石川県・滋賀県・岐阜県・京都府に囲まれていて静かで控えめ(地味)な空気を持った県だと良くも悪くも考えてしまう所です。例えば、全国的に知られている名所は、東尋坊・竹人形・永平寺など、しかしそんな名所も「石川県の名所でしょ」と言われるほどにあまりに知られていない。ひどい時など、「そんな県ありましたか?」とまで言われてきました。転勤で他県にいるときはそんな言葉を聞くとあまり良い気はしなかったのですが、地元に戻って「しかたないかな〜」と考えている自分に今回驚きました。

 これではいけない、より地元に戻ってふるさと紹介から始めなくてはと気をとりなおしました。わが街勝山市は福井市より28キロ東部へ行く山の奥、勝山盆地にあります。緑豊かで、水田・川に恵まれ、冬の雪は風情があり「左義長まつり」・「歳の市」などには常連の他県から来られる方が多く歴史的行事もある、自然がいっぱいの町です。しかし昨今では、若者が都会に出ていく傾向が強く、地場産業でもある繊維産業が、時代と共に陰りを見せ始めています。しかし一方では自然との共存を基盤に考えた、昨年全国的に宣伝されて反響を呼んだ「恐竜エキスポ」は、今年もイベントとして盛り上がるはずでしたが、皆さまもこ存じかと思いますが、交通機関の事故により残念なから今ひとつ活気がないのです。現在建設中の中部縦貫自動車道が、開通するようになると、また新たな活性化の起爆剤となるでしょう。緑豊かな環境の中ではぐくまれる文化都市、歴史と文化史跡を大切にしながら次世代に縦承していけるそんな心のふれあうようなまちが、私のふるさとです。

 代表的な行事、施設を以下紹介させていただきます。

 ●左義長まつり

 300余年の伝統が息づく奇祭「かつやま左義長まつり」は、毎年2月の最終、土、日曜日に行われます。日本古来の歳徳神信仰と陰陽道、仏教 の行事が混合したもので、五穀豊穣の祈願神事を するとともに、藩主小笠原公の信仰厚き金讃神社の火伏の神事を取り入れたものです。

 ●歳の市

 かつやま左義長まつりと並んで約300年の伝統を誇る行事で、毎年1月の第四日曜日に行われます。旧正月を迎えるために、近在の山村の人々が作った持ち寄って売り、正月用品を買って帰るという素人商人の"市"のこと。

 ●恐竜エキスポ

 2000年夏に開催されたイベントで、現在でも国内唯一の恐竜専門博物舘である「福井県立恐竜博物館」を中心に、周辺整備が進められています。現在特別展「ロイヤル・ティレル古生物博物館の恐竜たち」として10月31日まで開催しています。

 奥越の勝山市になって、3年後の平成16年には市制50周年を迎えます。時代と共に環境も変化して住んでいる方も自分も含めて高齢化が進みつつあります。これは全国的な傾向であり、「今、次の世代に何を託したらいいのか?」をふくめて、これから私たち一人一人が故郷について考え胸を張って、他県の方に自慢できる「ふるさと」にしていくために、自分なりに協力していきたい、参加していきたいと考えています。


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