ペンリレー

ブロードバンド時代を迎えてまちづくりを考える

NTT Infranet 阪本朔生

現代社会の情報ネットワークの活用

 現在、国においてはe-japan計画、大阪府 においてはe-OSaka計画のもと、情報インフラの整備が進められ、国土交通省の情報ボックスは 60%が整備されたと聞いております。今後は、府道・市道への情報インフラの整備が進められ、21世紀以降のまちの基盤として必要なアイテムになると思っています。

 国道からまちの需要家までのアクセスルートは、NTTのBOX、下水道を利用すればラストワンマイルの整備で光ケーブルネットワークが完成できます。

 さて、NTTグループに参加させていただいてまだ3か月ですが、その間に考えたことを地域デザイン研究会に参加させていただいた記念に少し書いてみます。

 IT技術が市民生活にどのように貢献できるかと考えてみると、

<高鮨化社会の問題>(福祉の充実)

 都市おける独居老人の安否確認を映像技術と情報インフラネットワークの充実によって、省力化とコスト縮減を図るとともに高齢者福祉の充実が図れると考えている。

<都市の安全の確保>

 安心・安全まちづくりで提案されている課題の1つに、児童の通学路の安全確保があります。通学路の安全確保にスーパー街路灯が提案され、整備されようとしています。この通学路の情報をどのように管理し、児童の安全をどのように確保していくのか、土木・設備技術と情報・通信技術が協力してシステムを完成させる必要があります。これは、児童の安全のみならず、安全なまちづくりに貢献できるでしょう。

<市民のコミュニケーションの場の創造>

 FIFAワールドカップを支援するため、大阪市が主催し大阪ドームの大画面にサッカーの試合を映し、市民が応援するという催しが行われました。市民の一体感を盛り上げ、とても良い試みだと感じました。このような光ケーデルネットワークを使った 国際間の市民の交流、テレビ会議などがさらに増えていくことでしょう。

<行政ネットワークの情報化>

 防災・交通情報などの公共債報、サークル・学校などの住民情報、行政情報、電子投票など各種の情報が電子化され、市民生活に利用されると考えています。「各地の基本計画の事例」として、岐阜スーパー情報ハイウェイ、ふくおかギガビットハイウェイ、兵庫情報ハイウェイ、岡山市地域情報水道構想−などが計画されています。

まちづくりとのかかわり

 現在、道路を使ったCCBox、下水道を使った光ケーブルネットワークが進められるとともに、歩道整備に併せた電線類地中化が行われています。中心市街地の整備、既成市街地の整備、歴史的景観の整備、電線顆の地中化とともに、情報インフラの整備が進むと思われます。しかし地中化事業は、沿道地権者の調整、交通の規制など行政側にとっても大変な苦労がいるのが現状です。

 そこで大規模開発、区画整理事業、市街地再開発事業では、電線類をできるだけ地中化し沿道建物もブロードバンド付きなど付加価値を付けることにより、保留地、保留床の処分をよりやりやすく出来るとともに、都市としてのグレードアップもはかれると思っています。

その他のIT技術

 NTTインフラネットでは、光ケーブルそのものを歪み計、温度計として用いる「光ケーブルセンシング技術」を開発しました。これはケーブルの中を流れる光の周波数の変化をとらえ歪みの生じている場所および歪み量を測定するもので24時間遠隔地での測定ができます。既に国土交通省などでトンネルの測定、法面の測定などに使われています。

終わりに

 初心者の私が、思いつくまま書いてみましたが、今後はIT接術と市民生活、ひいてはまちづくりとの関わりはますます深まると考えています。ぜひ地域デザイン研究会の皆様のご意見、ご指導をお待ちしております。


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