現地シンポの行き先「智頭町」とは・・・

 

今年の「地デ研・現地シンポジウム」は8月31日と9月1日の2日間、鳥取県の智頭町で行われます。同町のホームページ(http://www.town.chizu.tottori.jp/home/default.htm)から、この町について一部を紹介してみます。

智頭町は、鳥取県の東南に位置し、岡山県に接する県境地帯です。町の周囲は1,000m級の中国山脈の山々が連なり、その山峡を縫って流れる川が智頭で合流し、千代川となり日本海に注いでいます。気候は、日本海側気候に属し、冬に雪が多いのが特徴です。町面積の93%を山林が占めています。古くは山陰と山陽を結ぶ宿場町として栄え、大正3年に町制を施行し、昭和10年智頭町、山形村、那岐村、土師村と合併し、さらに翌11年に富沢村、昭和29年に山郷村と合併して智頭町となり、現在に至っています。 

智頭町が注目されるのは、まちづくりへの積極的な取り組みにあります。同町では、「智頭を世界一美しいまちに」をキャッチフレーズに、『サントピア(杉源境)づくり』の実現をめざし、「ひまわりシステム」や「日本1/0(ゼロ分の一)村おこし運動」、「智頭町情報システムの構築」なども施策に取り込んで、ユニークなまちづくりを進めています。

サントピア(杉源境)づくりとは、住民一人ひとりが将来に託せる夢をイメージできる。「智頭を世界一美しいまちに」とは、景観形成などの物的なことから、人的なことまで捉えている。住民一人ひとりの「心」が世界一美しいまちになることを究極的な目標にしています。

3つの理念

  1. 住民自治(自らの一歩)による「誇り」と「夢」づくり

  2. 開かれた地域による「杉のまち」から「杉のユートピア」づくり

  3. 地域経営(付加価値)による「魅力」と「活力」づくり

3つの方針

  1. 「日本1/0村おこし運動」:《生活・自治》
     住民一人ひとりが、地域により深く関心を持つことによって、自治意識を高め、自らの生活の場として集落の再構築を行うとともに、広く町外の人々も含めてお互いを認め合える風土づくりを進める。住民一人ひとりが、生きがいを持って、認め合い、存在感を持てるマイステージづくりをめざします。

  2. 「智恵頭(ちえづ)ネットワーク運動」:《交流・情報》
     住民が、地縁・血縁の交流にとどまらず、広く地域内外の人々と主体的に人的ネットワークを形成することによって、人脈・技術・情報等の智恵を共有し、それを活かしながら地域の開明を図る。また、町外にアクセスできる地球規模の双方向情報通信システムの構築を進め、感度の高いユア・ステージづくりをめざします。

  3. 「森・川・海ルネッサンス運動」:《環境・文化》
     智頭の地域資源である森・川・海(千代川で海につながる)は、経済面だけでなく、公益性を重視するとともに、千代川流域、広域連携、日本、そして、地球規模で捉え、再評価し、森・川・海を持つ意味、先人が育んだ環境や文化を基調とした新たな森・川・海の(保全・活用・創造を含めた)復興・改革の発信地としてフォレスト・ステージづくりをめざします。

【サロン方式の川づくり】

智頭町における川づくりは、河川を中心とする環境問題に対する関心が高まり、「多自然型河川整備」の鳥取県版ともいうべき「じげの川整備事業」のモデルが町内河川につくられ始めたのをきっかけに進められてきました。全住民参加の川づくりを進めていく中で、それぞれの親水公園を中心に組織が結成され、1994年には「智頭町親水公園連絡協議会」、さらに1997年には「千代川流域圏会議」が発足しました。このように、河川の新しい流域の社会システムづくりの模索まで、この運動の余波は及んでいます。

智頭町の川づくりの特徴は、「サロン方式」による川づくりです。「サロン方式」とは、河川計画が持ち上がった段階で地域の全住民を対象にサロン(集会)を開催し、そこで「肩書きなし・制約なし」を前提として、自由に意見を出し合います。 行政と住民とのキャッチボールを繰り返しながら設計を練り上げていきます。この方式の特徴は、ただ単に住民の要望を聞くだけでなく、住民相互の利害関係や出来上がった施設の管理面に協力する義務を負うことになり、「思い」の実現と共に自ら「汗」と「知恵」を出すことによって、出来上がった施設への愛着も増し、地域社会への参加意識も強まる。

智頭町のホームページから一部を紹介してみましたが、詳しくは現地に行って実際に確かめてみましょう。


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