こんなとこ行ってきたよ
ネパール編
ヒマラヤ・トレッキングは「大名行列」?
大阪府茨木土木事務所 岡村隆正
私は山登りを趣味にしています。年に2、3回、山に入ります。もう3年ほど前から、チャンスがあったら、ネパールへと思っていたのですが、やっと実現できました。それも、同じ地デ研の道下さんも一緒に。これで、中尾さん・吉川さんのように貴重種「人間」としてレッドブックに記載されるかもしれないと思っています。ネパールを訪れたのは10月25日〜11月3日までの9日間で、うちトレッキングは4泊5日。目的地はアンナプルナ・ヒマール。以下、紀行風には書かず、体験で得た特徴的なところをメモ風に書いてみました。
2種類ある。1つが「オーガナイズド・トレッキング」。
もう1つが小屋泊まりの「ティーハウス・トレッキング」。
我々はカトマンズの旅行社に前者を頼んだ。サーダー(ガイド頭)、ガイド、コック、キッチンボーイ、ポーター。最終日の写真によると、我々6人を入れて総勢22人。
だから「大名行列」とも言われている。
この団体が、標高2000〜3200m(と言っても、緯度が低いので、森林限界はまだまだ上)の段々畑、集落、森林を伝って歩いていく。テント場は集落にあり、芝生広場、炊事小屋、ダイニングルーム、便所、温水シャワー(=太陽熱で2〜3人分の湯しかない)。
<山の生活>
起きる時間は結局決めなかった。ガイドに「明日何時出発か?」と聞いたところ、「あなた方は休日なのだから、皆が起きて、準備ができたら出発すればよい」。なるほど。勤勉(?)な我々は「そうだリフレッシュに来ているのだ!」と変に納得。でも、夜6時ごろには食事、酒盛りして、8時ごろには寝るのだから、未明に目を覚まし、寝ずの番(ときどき盗人が出る?)をしているキッチンボーイに迷惑をかけていた隊員が数名。
・朝は適当な時間に「Good morning sir!」で始まり、モーニングティーをテント先まで持ってきてくれる。それから、お湯の入った洗面器。顔を洗い終わったら、ダイニングルームで朝食。コック、ガイドがサーブしてくれる。(標高が高くなった夜には湯たんぽの用意もあった)
・荷造り(と言っても、自分で持つのはその日の飲み水=ミネラルウォーターと防寒着、カメラくらい。後は、ポーターが全部持ってくれる)、朝の用事が終わったら、ガイドの「ビスタルビスタルジョン(ぼちぼち行くべえ)!」の掛け声で出発。
歩く時間は4、5時間から長くて7時間くらい。ポーターは我々の前に出発。キッチンボーイは食器などの後片付けを終えてから途中で我々を追い抜かしていく。次の食事の場所に先に着き、食事の用意をしてくれる(嘘みたい!我々は英国の王様?)。
ガイドと無駄話をしたり、現地の歌「レッサン・ピリリ〜」を教えてもらったりしながらのいたってのんきなウォーキング。ただ注意を要するのは、ここの「ヤクの宅急便(?)」の「燃料ガラ?」を踏まないように歩くこと(朝シャン、抗菌グッズなど衛生観念が過度な一部の日本人は、多分ぶっ倒れてべたべたになるかも→そもそも行かない!)。
<見えた神々の山>
未踏峰マチャプチャレ(フィッシュテール)6997、アンナプルナ主峰8091、アンナプルナ・サウス7219、アンナプルナ「7939、アンナプルナ、7525、ダウラギリ8172などなどいっぱい!これらをこっち(3000m級)から遠くに仰ぎ見るわけです。
かくして、マオイスト(反政府ゲリラ)により治安状況も不透明な国へ、しかも、ホテルに泊まって観光地に行くのでなく、山歩きに行くという非常に酔狂な「ヒマラヤ・トレッキング」旅行は無事終わった。
印象的なことを最後に一言。神々の山も当然よかったけど、生き生きした「人」を思い出さしてくれた。体温、目の輝き、茶目っ気、乗りの良さ‥。これは、参加したメンバー皆が、感心するくらい物食いがよく、乗りもよい「行っとこ人間」ばかりであったこと。現地ネパール人はというと、ガイドのディビを筆頭にキラキラ光るいたずらっぽい目。貧しい国なのに(だからこそ?)、まちはどこに行ってもにぎやかで、人々の忙しい動きがある。
日本の中心市街地衰退問題など微塵もない。
地域デザイン研究会の皆さんは、体温高い人(情熱の嵐?!)ばかりで心配ないけど、今の日本の具合が悪いのは、このあたりかと感じた次第である。