石川氏招き講演・鼎談

原論分科会

原論分科会は12月20日、石川禎昭氏(パシフィックコンサルタンツ顧問)を講師に招き、「廃棄物・環境のベンチャービジネスによる経済の活性化」と題する講演および鼎談を大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)で開催した。地デ研会員23人が聴講した。

石川氏は東京都在職当時、ごみ焼却炉の計画や建設工事を30年近くにわたり手がけたという廃棄物の専門家(技術士・衛生工学部門)。日本の諸都市やアジアでも多くの実績を残し、廃棄物処理関係の出版書籍も多いことからゴミ博士とも呼ばれている。講演では、地球環境が危機に瀕している状況をデータを示しながら説明した。とくに国内での廃棄物処理の危機的状況が続くなかで、廃棄物・環境分野のビジネスが脚光を浴びていることを指摘、環境ビジネスの隆盛が雇用機会増大を含め日本の経済活性化につながると強調した。

また、「ゴミは宝物、生活を豊かにするものと発想を変えることが循環型社会の構築には欠かせない」と語り、ごみを活用したエネルギーとして生ゴミ(バイオマス)発電やスーパーごみ発電の計画事例を紹介した。

講演後に平峯悠理事長との鼎談が行われた。「関西の能力は以前より落ちたのか?」の問いに石川氏は、「東京都の物まね的になっているのかもしれない。例えば関西空港はハブ空港にするとか、大胆さがほしい」。大阪の活性化について「元気な人が来たくなるような魅力をつくるべき」と語るとともに、「自分たちのまちに愛着を持ち、まちのために無償でも働くという気概が大切」「再生するためには知っている人が関わるべきで、都市再生をリードできる人が欠かせない」とし、人的資源の重要性を強調した。

石川禎昭氏の編著・出版リスト

▽図解・性能保証におけるごみ焼却炉の選定と導入(平成16年7月発刊予定・オーム社)▽ごみ処理施設建設の契約と実務(中央法規出版)▽図解・循環型社会づくりの関係法令早わかり(オーム社)▽廃棄物分野の国際協力の進め方(日報出版)▽増補改定・流動床式ごみ焼却炉設計の実務(工業出版社)▽廃棄物・環境分野のベンチャービジネス(オフィスゼロ)▽廃棄物情報ガイド(リサイクル文化社)▽これからの廃棄物処理と地球環境(中央法規出版)▽ごみ焼却排熱のおもしろ科学(理工出版)▽新・ごみ教養学なんでもQ&A(中央法規出版)▽解説・ダイオキシン類対策特別措置法(日報出版)―など。


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