寝屋川市でフィールドワーク

テーマは「イベントによるまちの活性化」

「まちと個性」分科会 主査 茂福隆幸


<寝屋川せせらぎ公園をフィールドワーク>

 「まちと個性」分科会では、「イベントによるまちの活性化」をテーマに5月14日、寝屋川市でフィールドワークを実施しました。

 寝屋川市は、大阪の北東部に位置する人口約25万人の中堅都市。高度経済成長期には、大阪都市部への人口集中の影響を受け、京阪3駅周辺地域に木造賃貸住宅をはじめとする密集市街地が形成されましたが、その後都市基盤施設の整備やそれにあわせた建て替えが進み、その解消もすすんでいます。特に、寝屋川市駅や香里園駅周辺は、都市計画道路や駅前広場等の整備によって様変わりし、駅周辺地区のさらなる活性化が期待されるところです。今回は、駅周辺地区の整備を契機として、イベントによりまちの活性化を図ろうとする2つの事例を比較し、まちの個性(活性化)について考えてみようと企画をしました。

 まず、寝屋川市駅周辺地区では、駅の立体高架とともに東西駅前広場のリニューアル、また、一級河川寝屋川に親水空間「寝屋川せせらぎ公園」を今年3月に整備を完了しました。これを記念するとともに、地域の活性化を図ることを目的として、地域協働によるイベントが5月8日(日)に開催をされました。このイベントは、市からの呼びかけのもと、自治会、商業団体、NPOなどの幅広い団体から構成される「実行委員会」形式で企画・運営されました。イベントの内容は、文化発信活動(音楽コンサート等)、青空囲碁、舟下り、魚すくい、植生・水生生物展、短歌展、写真展などの盛りだくさんの内容で、当日は約1万人の来場があり大変盛況であったとのことです。新しくなった公共空間を活用し、継続した活動が期待されます。


<話題提供の様子 手前が田中さん>

 次に、香里園駅周辺地区では、昨年10月に行われた第1回香里音楽フェスティバルの仕掛け人である田中潤さんに話題提供をいただき、会場となった香里園駅西側の商店街の視察を行いました。田中さんは、3年前に香里園でジャズ喫茶をはじめられましたが、若者たちが楽しめる機会や場所がないという思いが強く、『音楽フェスティバル』を立案されましたが、全くの未経験でかつ地域とのつながりもあまりない中で、当初は全く進まなかったそうです。しかし、若者のネットワークと熱意・行動力、また、市教育委員会『たそがれコンサート』の合同開催という好機も得て、19会場、出演者約300人という大規模なイベントになりました。当日は、約1万人の来場者があり大変好評で成功であったということです。そして、今年10月にも第2回目を実施されるということで、昨年の経験を活かし、さらにグレードアップしたイベントとなることが期待されます。

 2つのイベントは、簡単に言ってしまえば『行政主導型』と『民主導型』に大別でき、それぞれのメリット・デメリットもありました。今後、各地域でのイベントが継続又は発展していく中で、より良い形を探っていくということになると思います。その中で、民側として資金、ネットワーク(組織)づくり等、行政側として施設整備、許認可等のルールづくり等が課題となると思います。また、地域合同での開催等の夢も膨らむなど今後が楽しみです。


<香里音楽フェスティバル>

 フィールドワークの後、香里園の某居酒屋で懇親会 を行いました。久しぶりのフィールドワークということもあり、参加メンバーの会話もはずみ、宴たけなわのなか解散となりました。

 「まちと個性」分科会では、昨年8月のワークショップにおいて、平成10年からの分科会活動の総括と、平成12年から16年までのフィールドワークのまとめを行いました。その後、アンケート等を行い、今後の研究テーマや方針等については検討中でありますが、引き続き分科会活動を行っていきたいと考えております。皆さまのご参加をお待ちいたしております。


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