STUDY21 夏季研修を実施

関西都市居住サービス(株) 小西道信

 地域デザイン研究会「STUDY21」は、今年度夏季研修会を9月17日から19日にかけて、東京からの参加者も含めて長野県下で行いました。その一端をご紹介します。

 <研修概要>

▽日時=平成17年9月17日(土)〜19日(月)

▽フィールド=信州(北・東・中)。詳細は末尾参照。メンバー間でアンケートを実施し、長野に決定。 昨年の富山、新潟とフォッサマグナでつながった

▽参加メンバー (体調・日程の調整が可能だった人)
 ○ 温泉と木造民家マニアのI氏
 ○ 今回スウィーパー役でなんでも見て野郎のK氏
 ○ ムードメーカで無類のうわばみのN氏
 ○ 博学で何事にも一家言を持つT氏

▽テーマ (メンバー各々の胸の内)
 ○ 著名な宗教施設とその背景を体感: 戸隠神社、下之郷生島足島神社、諏訪大社
 ○ まちおこしの実地検分: 小布施味わいの空間
 ○ 旧街道筋の街並み見学: 須坂上中町界隈、上田城下柳町、中山道和田宿
 ○ 地域の産物等を通しての地域把握: そば、温泉、酒、りんご娘
 ○ 宗教施設・行事と市民の日常生活との関係把握 ▽足回り=N氏の愛車にて高速道路から地道まで800km余を走破

□ 戸隠神社と鍵隠し

  須坂にて、町並み案内処の表示が「明日お寄りなして」にひっくり返ってから更に一時。聞き手と話し手が盛り上がり、宿へ遅れますコールを入れる羽目になってしまった。

 目指すは、長野市の北西約30km、戸隠にある茅葺の宿坊。善光寺、信州大学を抜けて県道は山道になり眼下に長野市街地の灯を見る。対向車の来ないことを願いながら九十九折の道は更に高度を上げる。ヘッドライトの中に獣の姿を見かけること2度。エンジンを切り、門を抜け、玄関を開けると下駄箱に納まったズックの集団がみえた。

 夕食後、田中本家のきゅうりてっぽう漬けをあてに、桝一市村酒造の□一(square one)、遠藤酒造の八水神で頭を和らげ、明朝の予定を決める。6時起床、戸隠神社奥社に向け15分出発と。

 駐車場に車を置き、小川を渡ると大鳥居。奥社まで1.8km。登山スタイルの二人連れ数組を追い越し、ブナの原生林の真っ只中を行くと奥社まで1.4kmとの表示がある。しかし前も後ろもまっすぐな参道が見えるだけ。茅葺の屋根に羊歯や雑草が繁茂する随神門を抜けると杉の並木がリードする。参拝帰りのグループと挨拶を交わす。

 やがて登りとなり道幅も狭まり、あごがあがり始めた時、空が見えた。その下に戸隠山の岸壁が現れた。戸隠山は、遠い神代の昔、天岩戸が飛来して化成したといわれるが、奥社はその断崖の真下に在る。左側には、九頭龍社、右手前の岩肌からは水が滲出し八水神が祭られている。原生林を舞台に、奥社までの遠大なアプローチと直立する岩肌をバックにした社とが醸し出す雄大さと荘厳さに圧倒された。

 風呂で汗を流し、着替えを済ます。朝食は、最後のグループとなってしまった。一仕事の後の飯は美味い。8時半、いざ発とうとしたら部屋の鍵が無い。鍵が隠れた!「お荷物から出てきたら、送ってください」との暖かな若女将の言葉を受けて、戸隠中社へ参拝。御祭神は天岩戸開をご考案された神様で、学業成就、商売繁盛、開運などの御神徳がある。試しに引いた御籤は、「失せモノ出る」。境内にある樹齢800年の3本杉を見上げた後、もう一度宿に顔を出す。出てきた!シーツの中にお隠れになっていた鍵様が、掃除機の音で、お出ましになった。この旅の前途開運は、間違いなし!

 <訪問先リスト>

 (9月17日)

小布施 高井鴻山記念館、おぶせミュージアム、岩松院、福島正則廟
須坂 上中町、田中本家、町並み案内処

 (9月18日)

戸隠 奥社、中社
善光寺
上田 柳町、上田城跡
別所温泉 北向観音、安楽寺本堂、大師湯、前山寺、無言館、下之郷生島足島神社

 (9月19日)

沓掛温泉
保福寺峠(東山道)
和田宿本陣(中山道)
毒沢・神之湯
諏訪大社 上社前宮、同奥宮、下社秋宮、同春宮

※最高高度地点は戸隠奥社本堂、保福寺峠1350m、最低高度地点はおぶせミュージアム310mで、 1000mの高度差がありました。


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