「沿線まちづくり」テーマに実施

研究分科会「まちを視る」=くずは駅周辺でFW

寝屋川市 茂福隆幸

 研究分科会の活動の再編成として立ち上げられた(仮称)「まちを視る」では、第1回目のフィールドワークを10月22日に実施しました。「これからの沿線まちづくり」をテーマに、京阪電気鉄道の熊見部長(=下の写真)の説明と案内でくずは駅周辺整備のフィールドワークを行いました。代表、副代表はじめ17人が参加し、久しぶりの参加の方もおられたため同窓会的な雰囲気で始まりました。

 くずは地区の開発は、昭和35年にハ幡町、京阪電鉄、日本住宅公団(当時)が総面積約130万m2のニュータウン建設計画を進めたもので、昭和42年に着工し、47年にくずはモールが開業しています。住宅は京阪が153ha、5,500戸、22,000人、公団が186ha、9,000戸、32,000人の計画で、駅前には体育文化センター(駅ビル)とデパートとスーパー、専門店等からなる1D2S型タウンセンターとして、当時としては先進的なモール街がオープンしました。

 その後、後背地であるくずはローズタウン、男山団地の動向として、ニュータウンがいわゆるオールドタウン化したことを受け、若年世代を呼び込み、郊外のショッピングセンターに向かう流れから駅に向けた人の流れを取り戻し、駅前の活性化を図るためにモール街のリニューアルに取り組みました。平成10年に土地利用計画に本格着手し、平成12年にくずはタワーシティに着手し、17年にくずはモールグランドがオープンしました。

 特徴としては、従来の1本のモール型ではなく、たくさんの店が配置でき、かつ回遊性の高いサーキットモール(トラックモール)型で、京阪百貨店、ダイエー、専門店がうまく配置されていました。フィールドワークを実施した22日は土曜日ということもあり、親子連れや若者たちがたくさんいましたが、高齢者の方は少なかったのが気になりました。

 また、駐車場も大規模小売店舗法の規定では1000台程度必要となるところを、周辺街区を含めて約2000台設け、車の誘導計画においては出入り口を方向別に分けて交通を分散化、道路に上空通路を設けて直接駐車場に誘導し、駅前ゾーンには極力一般車を入れないようバスとの共存に考慮しています。守口の京阪百貨店でも大規模な駐車場を設けていますが、公共交通施設との関係や駅前店舗のあり方から今後検証していきたいと考えています。ほかに、ヒートアイランド対策として、屋上緑化、太陽光パネル、透水性舗装を施していました。

 住宅部分のタワーシティは永住型「100年住宅」ということで、設備関係をコンクリート(構造体)には打ち込まないで、将来のリフオームに際して水周りや間取りの変更を可能とした、いわゆるSI(スケルトン・インフィル)仕様を採用し、購買者のニーズに対応すべく間取り・仕様変更などが可能なフルカスタム方式(マンションの注文建築化)を一部取り入れたほ
か、初めての超高層住宅の免震構造としています。4棟488戸あり、ランドマークとなるタワー棟は41階あり、くずは駅だけでなく京阪沿線のシンボルとしてそびえ立っています。隣接してフィットネスクラブ棟があり、モール街とも2階の通路で結ばれ駅前生活が満喫できそうです。

 最後に、新島様より京阪電鉄で取り組んでいるもう1つのプロジェクトである中ノ島新線の整備について説明を受けました。フィールドワークの後、くずはゴルフ場のパーティルームを借り切って懇親会を行いました。 14人が参加し時間も忘れるほど会話がはずみ、宴たけなわのなか散会となりました。

 「まちを視る」では第2回目のフィールドワークも予定していますので、皆様の御参加をお待ちしております。


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