2007年度ワークショップ
地デ研をばっさり変える!

 地域デザイン研究会の活動の在り方を探ろうという2007年度ワークショップ「地デ研をばっさり変える」が1月19日、城北市民学習センターで開催された。第1部で4分科会の活動状況報告が行われ、第2部のパネルディスカッションでは小山さんがコーディネーターとなり、4人のパネラーが意見・提案を語った。

(文:伊藤可奈子)

【第1部 分科会報告】

 <まちと宗教施設分科会「スタディ21」>(報告者:高岡)

 昨年9月の現地シンポの際、帰りがけに訪れた湖北地方。数多くの仏像を見学し、社寺仏閣が人の暮らしの中にどのように存在してきたのかなど、スタディ21らしい視点からの報告だった。

 <まちを視る分科会>(報告者:茂福、梶)

 フィールドワークの充実を目指す。昨年9月には近江八幡市、今年3月に神戸市長田のまちづくりを見学(予定)。地域それぞれのまちづくりに学ぶことも多く、今後も大切にしていきたいとのこと。

 <原論分科会>(報告者:岡村)

 原論分科会での議論内容を整理し、体系的にデジタル化をしようとしている。冊子にまとめることも考えているが、これまでの参加者で過去の資料をお持ちの方がいれば提出してほしいとの要請もあった。

 <公共交通分科会>(報告者:岡村)

 新しく発足した分科会。岡村さんご自身の通勤時のモビリティ調査の結果を紹介した。今後は公共交通をさまざまな視点から検証していきたいとのこと。

【第2部 パネルディスカッション「地デ研をばっさり変える」】

 コーディネーターが地デ研の歴史などを説明。平峯理事長39歳のとき「泰山塾」から始まり、現在のNPO法人地デ研(100名)に至る。高齢化も進み、平均年齢はすでに50歳代後半。今後の在り方などについて4人のパネラーから提案などを発表してもらった。

▽毎年のフォーラムやWSは成果ではあるが、一過性のイベントだけに終わっていないだろうか。今までのよいところを伸ばし、自己研鑽・議論の場の段階から、行動に移すというステップアップが大事。集積された素晴らしいデータがあるので、例えば地デ研本を作ってみたらどうか。(提案者:大戸)

▽問題意識の共有化が必要。目標・目的を設定できれば評価もしやすくなる。何をどう変える、どこから変えるのか、共通の土俵をつくらなければならない。フランクに自由に意見交換ができる場をつくり上げたい。地デ研は目的の幅が広いため、これをうまく集約できるプロセスが必要ではないか。(提案者:松島)

▽まちづくりの事例から、活動のメニューを形にして紹介する。そうすれば若い人にもアピールできるのではないか。形として行動することが大事だと思う。(提案者:友田)

▽良いところは、多様な人と話ができること。悪いところは、役に立ったり、情報発信という形につながっていない。組織拡大したことで、内部で温度差ができてしまった。自己研鑽、意識を高めることはOK、研究会もOK。テーマを決め、ブログなどを通じて議論し、このデータを積み重ねて発信するというようなことを実践してみてはどうか。(提案者:前田)

 総論的には、(1)高齢化も進み若い人がなかなか入会しない、(2)活動の内容はレベルの高いものだが、それをまとめて発信することができていない。このようなことだろうか。すぐに「ばっさり変える」ことは難しいが、これまでの蓄積を何らかの形で発信することが、地デ研ここにあり!シンクタンクとして役割を発揮することにつながるのではないだろうか。最後に参加者全員が一言ずつ意見を述べた。宿題はまだ終わっていないが、徐々に変わっていくことだけは確かだと感じた。


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