堺市百舌鳥の地域活動
継続は力 人材発掘も課題

アトリエK 伊藤可奈子

 堺市が政令指定都市になって2年。私の住んでいる北区にも、まちづくり推進課という課があり、各校区ごとに単一自治会からまちづくり実行委員を選び、校区ごとのまちづくりテーマを決め、役所はバックアップのみをし、住民自らが活動し推進して欲しいというものだ。そのための予算もしっかりあるらしい。

 私が住む校区には、5年前から「魅力ある百舌鳥野をつくる会」という美化活動グループがあり、私も3年前から参加している。行政主導でできた会であるが、新しいまちづくり実行委員と合流し、この会が中心となって地域のまちづくり活動をしている。テーマは歴史と文化。活動コアメンバーは20人ほど。イベント時にはサブメンバー30名ほどが応援に来てくれる。

 年に3回の清掃活動と年に1回のイベント、勉強会が活動の柱。この地域には仁徳陵をはじめ多くの古墳がある。百舌鳥三陵と呼ばれる御廟山古墳、いたすけ古墳、ニサンザイ古墳の3つの御陵周辺を中心に清掃をし、最近では拾うゴミもないくらいにきれいになってきた。また、ゴミを集めながら歩いていると知らない人から「ご苦労さま」と声がかかるようになった。これは大きな成果だ。継続は力になる。

 一方で、まちづくりを推進する上での課題が、活動に参加する人材問題である。どのようにすれば、積極的なまちづくりに対する意識の高い人を見つけることができるのか。自治会がらみで「頼まれたから来た」という人が案外多いのが現状だ。決まった事柄や活動にはまじめに取り組み参加されているものの、アイデアや覇気には乏しく、どうしても事務局である行政に依存しがちになる。資金の問題、権限の問題など諸事情もあるが、この構図を変えない限り、現状の継続はできても発展は難しい。若い世代は仕事などで参加者は少なく、地域の活動には興味がない、あるいは知らないという人も多い。結局はリタイア組が中心となる。出来上がってしまった組織を変えるのはなかなか難しいが、人材発見の門戸をもっと広げる工夫が必要なのだろう。また、行政も「先ず自治会から」という概念から離れ、枠にとらわれない「人探し」の工夫もしてもらいたいと思う。「まちづくりの魅力的な何か」を探すことが先なのかもしれない。

 魅力ある百舌鳥野をつくる会では、その「何か」探しのため、このほど「エコウォーク 古きを訪ね新しきを学ぼう」と題して、地域の資産を訪ねるイベントを実施した。主催する側、参加する側の地域に対する意識の共有を果たせればと思う。


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