推薦者:前川晃三

「地名と風土」 谷川健一編(思潮社)

 

 もともと日本の中心ですよ。住んでいるところがそう言われれば少し嬉しくなります。古い地名の解釈というものは、いろいろあるものだと思います。

 一説として、東大阪市は日本の中心であったらしい。「私は日本という語の大和言葉、すなわちヒノモトという語は日下(くさか)からきているんだと思うんです。このクサカはいまの東大阪市日下町の場所にあたる草香です」。その他にも大阪の地名について、例えば、「茨田(まつだ)というところがありますが、古代のマムダがいまだにのこっている」

 「十三というところがありますが、あれはじつはツツミなんだそうですね。十がツツで三がミ。つまり淀川堤」という説があるようです。


「読書のすすめ」 岩波文庫編集部編

 本屋さんの岩波文庫の棚に行くと、そっと置いてある。僕の手許にあるのは、第10集と第11集。例えば第10集では、池澤夏樹、角田光代、鎌田慧、佐伯彰一、筑紫哲也、西川祐子、宮田毬栄、リービ英雄の8名の方々が「読書のすすめ」を書かれている。無料であるこの小冊子は、よくある販売促進物とは、違った印象をもつ。それは、おそらく岩波文庫そのものの存在感からくるものだと感じています。巻末に、岩波茂雄さんの「読書子に寄すー岩波文庫発刊に際してー」。その文章は、「その性質上経済的には最も困難多きこの事業にあえて当たらんとする吾人の志を諒として、その達成のために世の読書子とのうるわしき共同を期待する」と結んであります。


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地名と風土
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