REPORT

心の拠り所を求めて
STUDY21の活動報告

小西道信


永源寺

 宗教施設とまちづくり分科会(STUDY21)は、平成15年に旗揚げしてから6年目を迎えました。平成16年度には、「我々は、『心の拠り所』を求めている」という問題提起をしました。以来その普遍化に向けて、平成17年度にはCDK会員を対象とした生活者アンケート、平成19年度からは『心の拠り所』の事例として地域施設や行事を調べてきました。本稿では、19秋以降の活動をお知らせします。

【活動状況】

(1)テーマ研究

 「日本人の原点を探る」をテーマに、個人テーマを掲げその成果について意見交換をしました。

<祭神と住民願望>

 寝屋川市内の神社27社の祭神、領主、所在地、格式等を一覧にしました。領主の変遷など地域の歴史、権力者の宗教へのかかわり方と地域(民衆)の受け止め方など興味深い発見がありました。

<地蔵とまちおこし>

 大阪市旭区および守口市での地蔵盆会式を観察しました。公園の中にある地蔵尊、町内会館横に地蔵尊を持つなどハード条件が整った町内が今でも地蔵盆が盛ん、との印象が伺えました。

<宗教施設とまちおこし>

 三重県多気町「観音の里」と滋賀県高月町「花と観音の里」を比較しました。施設を維持管理することは、安心の希求だけでなく苦労が地域の結束のコアとなっていました。

(2)現地視察


金剛輪寺

<二月堂修二会(H20年2月)>

 護摩をたく煙が燻る暗闇の中、寒さにふるえながら音と影絵が織り成す伝統ある宗教空間を体験しました。

<研修旅行(出雲大社、日御碕神社、石見銀山(H20年8月)

 出雲大社の荘厳さとそれを支えてきた地域の人たちの奉仕の姿が印象的でした。石見銀山では坑内の湧き水を人力で替え出すその工夫と労力に感激した。資産を活かした街づくりの課題は山積し、目下修正中であるとか。

<研修旅行(湖東三山、永源寺、H20年10月)>

 湖東の山麓に位置し広大な庭を持つ西明寺、金剛輪寺、百済寺、永源寺を訪問。金剛輪寺の2千体の地蔵さんに供えたられた風車の由来がおかしかった。また、永源寺の老楓に感じさせられことがありました。

【今後の活動方向】

 最近の活動での閉塞感や逆にフィールドワークでの盛り上がりを受けて、フィールド主体の活動に転換します。テーマは「心の拠り所・スポット探訪」です。パワースポット、聖地、「ふるさと」などといわれているところをリストアップし、調べ、訪れ、評価します。リストづくりのためのネタ本、探訪地の選考方法、評価軸など議論中です。視察はオープン参加とし、視察後メモを提出し、真摯な意見交換をします。日程が決まり次第お知らせします。参加をお待ちします。


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