主張

意識改革のとき

岡村隆正(大阪府)

1.少子高齢化が原因か

 日本社会の閉塞感が限界に近づいている。主要な問題は、年金や健保の信頼性が大きく低下していること、金融危機に端を発した雇用情勢の急激な悪化、それに伴う世代間格差の拡大などである。それらにより、本来、働き盛りで活力がなければならない50代以下の世代の将来への不安が増している。それに加え焦燥感を募らせるのが、緊急経済対策の愚策だ。公共投資の乗数効果は今や0.3程度といわれているのに、選挙対策で15兆円の財政出動をするという。危機に乗じた道路族の巻き返しなど官僚の思いどおりの、本質的な解決策でない場当たり対応をしている政府の幼稚さ。これがすべて次世代の重荷となる。

 年金などの問題の多くは、その原因が少子高齢化にあると言われており、今の制度のままでは破綻することは誰もがわかっていること。一方、少子高齢化はすでに西欧先進国がたどって来た道であり、すでに適切な政策の変更で対応されている。問題は政策立案すべき政府の動きが極めて悪いこと。しかしその対応の悪さは国民の選挙行動に合致した合理的なものとも言える。つまり、今後、最も厳しい生活を強いられる50代以下の有権者が投票しないことである。集票でなく、将来を見た政策を打つのが本当のリーダーであるのだが…。

2.日本人気質と平時の社会

 争いごとや急変を好まない、穏やかで謙虚な国民気質。それが逆に「横並び」を過剰に意識させ、個人主義的な突出を評価しない社会を生み、問題を曖昧なまま残すことになる。

 そんな気質を背景に、敗戦60年以上の平和と繁栄、それに加え、医療の目覚しい進歩が、リスクを避ける「事なかれ主義」、無事を満点とする「減点主義」、中身より形を優先する「形式主義」などの価値観をもたらした。国民全体が、食えなくて「生きるか死ぬか」でなく、不満はあるが生きていける時代(ぬるま湯)、小さな幸せに満足し、あきらめ、無気力・
無関心、変なことを変とも感じなくなる「思考停止」状態(茹で蛙)に陥っている。

 次代を担う子供たちも、生まれた途端に「豊かな海」に浮かんだような環境で育つことになり、ハングリー精神やチャレンジ精神を失っている。平時のリーダーは、常に有事に備えるべきだが、それを忘れ、単に、節度、自制、配慮を重んじる調整型のリーダーを生み出す。いつの間にやら、首相も「小粒でぴりり」どころでなく、「小粒で変な味」になってしまった。

3.どうする!

 なら、どうすればいいのか。ここからは、いろいろな意見があり、メンバーとも議論をしたいと思っているが、わたしのラフスケッチは以下のとおりだ。

 などなど、下手な考えを披露しましたが、如何でしょうか?


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