REPORT
ひらかた環境ネットワーク会議と意見交換
〜地域遺伝子調査〜
事務局 鎌田 徹
「北河内に於ける地域遺伝子を活用したまちづくり調査」は、川、平地、山地などの自然条件、集落のまち並み、集落間をつなぐ道、神社仏閣、土地に伝わる祭り、芸能、ものづくり、戦争などの時代背景による影響、近年の開発、交通網の変遷などなどから、地域に伝わる遺伝子を読み取り、それを、次のまちづくり/地域計画に活かそうという試みである。
平成20年から近畿建設協会の支援を得て、調査を続けているが、平成22年度は、これらを実際の都市計画行政や市民によるまちづくりに活用していくための、多様な場面に合わせ使いやすい「まちづくりマップ」の作成をめざしている。この調査手法が、都市計画基礎調査に組み入れられ、都市計画を立てる際の資料となることが望まれる。
地域遺伝子マップ(津田地域)1月25日、NPO法人ひらかた環境ネットワーク会議のまちづくり部会他会員と意見交換会を持つことが出来た。枚方市域を「枚方地域」「中宮地域」「樟葉地域」「津田地域」の4つの地域に分けて調査しているが、意見交換会に提供した資料は、ほぼ完成している「津田地域」の遺伝子マップ。
マップの活用方法としては、行政が都市計画の策定やまちづくりに当たって、事前に地域の現状を把握するときに使用したり、市民がまち歩きや観光などに使用するなどの事例が考えられる。
意見交換会では、次のような意見が出された。
- 優れた家並みでも、維持するのが難しい。
―「伝統的建物群保存地区」「登録文化財」などの手法も考えられる。地域が誇りと思われるものを見つけ、それを大切にする。維持・保存にNPOを立ち上げ、サポートするようなことになればいい。- ひらかた環境ネットワーク会議の環境教育サポート部会では、出前授業などやっており、地域遺伝子調査の成果が、子どもの教育に使えるようにすればいいと思う。その場合、航空写真も活用すればいいと思う。
- 集落にとってはよそ者となるが、
―これを押しつけるのではなく、地域遺伝子の調査結果を伝え、まちづくりに活用してもらえばいいと思う。また、地区から意見を聞くことも大切。- 地域を活性化するのに、地元の鬼、よそ者の鬼、コーディネータの鬼の3つの鬼が必要と言われる。
- 淀川、水路、悪水路の推移を把握するのも必要ではないか。
この調査は、2月末完成予定で、枚方地域、中宮地域、樟葉地域についても鋭意調査中である。