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河南町地域公共交通調査研究パートナーシップ事業(2)

事務局 鎌田徹

 河南町武田町長の「公共交通を何とかしたい」という願いから、平成21年度に始まった「河南町における地域公共交通調査・研究パートナーシップ事業」は、3年目に入った。

■平成21年度住民へのアンケート調査

 河南町、大阪府都市交通課、NPO法人地域デザイン研究会で検討会を持ち、河南町の交通の状況、調査の進め方を検討するとともに、交通に関する住民アンケートを実施。全所帯の約1/3、2000人へのアンケートに対し990人から回答があった。その結果は、路線バス、福祉バスを含む、地域公共交通の充実を強く求めるものであった。高齢化が迫っている、昭和40年代以降に開発された大規模団地でその傾向が著しく、自由意見欄への書き込みも回答者の半数を超えていた。

■平成22年度シンポジウムの開催、さくら坂地区・大宝地区との意見交換会

 アンケート結果と地域公共交通の進め方について5月26日、町議会に説明した。7月26日には河南町住民を対象に「河南町の地域公共交通を考えるシンポジウム」を開催。大阪大学大学院松村暢彦准教授が講演、地域デザイン研究会からは、河南町の現状、アンケート結果とその分析、地域公共交通についての施策提案を行った。

 参加者のさくら坂地区の方から、「さくら坂に持ち帰り、住民主導のコミュニティバス導入の研究・検討に取り組みたい」との話があった。それを受けて9月27日、さくら坂地区で「公共交通に関するワークショップ準備会」を開催。アンケート結果の報告が行われ、地区の既存公共交通に対する強い不満と、この状態を改善する地区としての今後の取り組みについて議論された。

 10月30日には大宝地区で「地域公共交通に関する意見交換会」が開催され、ここでもアンケート結果の報告と、既存の公共交通に不満や今後の取り組み方法について議論が行われた。

■平成23年度住民とともにワークショップへ

<さくら坂・鈴美台公共交通を話し合う住民の集い(ミニシンポジウム)>

 最初の地元との交流会として4月24日、さくら坂・鈴美台地区でミニシンポジウムが開催された。主催はさくら坂地区公共交通を話し合う住民の会・地域デザイン研究会・河南町で、100名を超える住民が参加した。

 平峯理事長によるアンケート結果の説明、羽衣国際大学の小川准教授による「『これまで』と『これから』の地域交通施策」についての話があり、その後の意見交換会では、▽昼間は2時間に1本しかない路線バスを町から補助金を出してでも、便数を増やすことが出来ないか、▽福祉バスの一般利用化やルート等の再編、▽福祉バスと路線バスを連携するシステムはつくれないか、など切実な意見が出された。

<さくら坂・鈴美台地区第1回ワークショップ>

  6月30日にさくら坂・鈴美台地区の第1回ワークショップが開催され、さくら坂2丁目を中心に約30名が集まった。4つのグループに分かれ、地デ研メンバーがファシリテータとして加わり、@自家用車・クルマA金剛バスの改善・改良B地域コミュニティバスについて、話し合った。

 1グループ8人ほどでの話し合いで、▽バスがあまりに不便なのでクルマで行ってしまうが、送迎も大変▽金剛バスの改善案も出たが、どうやって実現させていくか▽地域福祉バスを再編して買い物や通学に使えるようにするにはどうするか▽これら課題に住民が中心となって計画を練っていくことが必要、などの本音の意見が多く出た。

 今後は地域公共交通の取り組みについて、さくら坂・鈴美台地区全域の住民に広げ、意見交換、集約を図っていくことになるが、地域デザイン研究会として、地元が意見集約し計画案をまとめられるよう支援していく。大宝地区でも今後、意見交換会がもたれることとなる。


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