地域デザイン研究会
研究ワークショップ報告研究担当幹事 南 健士
2月5日に、今年度の研究ワークショップが開催され、各分科会活動の報告とそれについてのディスカッションがなされました。
○場 所 大阪府職員会館
○日 時 平成12年2月5日(土)14:00〜
○場 所 大阪府職員会館
○参加者 20名○議論の概要
I まちと中心機能分科会 (発表:岡村隆正)
間近に提出がせまっていた「桑名コンペ」作品について議論頂いた(最終の提出作品は本誌別稿参照)。
主な意見は次のとおり。
- 歴史、桑名にこだわる必要あり。水郷なじむか?
- 女学生はどこにこだわる?地元にこだわる人が増えている。(Ex.駅前にアメリカ村?)
- 名古屋の人を呼ぶ:食べ物おいしい。(Ex.柳瀬:もてなしがいい)
- ときめき方:広場だけではだめ。イメージを膨らます必要。(Ex.長浜のように旧商店を取り込む)
- ツインビルときめくか?
- 地元の若手が手作りで。
- いろいろな人が集まってきてつくるまち
- リサイクル人
- 大規模SCのスタイルは長持ちしない。
- やり方で駅前よくなる(すぐにできなくても)。
(Ex.保育園、市役所の市民サービス施設)- 桑名の人が見て、やってみたいと思うもの。(Ex.山から直線でウォーターシュートで:「きゃー」と言えるもの)城を見通せるツインビルは良い。
II まちと個性分科会 (発表:今中昌男)
1.歴史的まちなみを持ったまちの個性
・研究の視点
- 歴史的まちなみという個性が人々のまちへの意識にどのような影響を与えているのだろうか?
- 歴史的まちなみを博物館的に保存するのではなく、まちづくりの中に活かしながら保存していくためにはどうすればいいのだろうか?
- 歴史的まちなみを中心市街地活性化のアイテムとすることができないか?
・現地踏査を踏まえた知見
富田林でのまち案内ボランティアの方々、漆塗りの店のご主人、平野のまちぐるみ博物館運動の驚き。
2.密集市街地でのまちの個性
・研究の視点
- 密集市街地の求められるまちの個性とはどのようなものだろうか?
- 計画的な公的開発はまちの個性を変えることが出来るのだろうか?
- まちの個性を作ることによって、まちの環境を変えていけるのだろうか?
・現地踏査を踏まえた知見
寝屋川市(萱島、大利地区):「密集市街地の個性」、公的開発の役割
生野区南部地区:「まちの個性」を見つける、まちの個性化と住民意識
全般:密集市街地のまちづくりにおける動機付け
III 「まちとゆとり×居住」分科会 −快適な都心居住とは−
(発表者:石塚、小山、溝口、奥山)
○現在の都心部ではどこに何が不足し、何が必要なのか、またこれから何が必要になってくるのかを整理し、今後、どのようなまちづくりを行ったらよいかを提言していただきたい。
○定性的な研究も大変おもしろいが、定量的な裏付けの充実をしてほしい。例えば、どのような条件だと人が居住地として選択しやすい傾向にあるかなど。
IV 「まちとマネジメント」分科会 (発表者:清水良郎)
まちづくりに「マーケティング」の考え方を活用しよう。
1.マーケティングとは何か
売り手と買い手の交換関係を、都合のよい状態に長期間保てるようキープすること。
2.マーケティング計画の実際
…以下の事をお客様にわかりやすく伝える、態度で示す。
セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング3.まちづくりにおけるマーケティングの活用
まちづくり主体と対象者の関係を考え、マーケティングを応用する、行政と住民の関係、商業施設開発者主体と来訪者の関係を考える。
4.まちづくりマーケティングの実際
まちづくりの基本は「ひと」…人の少ないまちは価値もすくない?ひとを呼ぶマーケティングが重要となる。
5.関係性マーケティングの活用
・関係性マーケティングとは
お客さん個々との信頼関係作りを目指す」マーケティングへ。情報技術の発展が個々のお客様との対話を可能にした。お客さんの顔が見える商売を。
・住民との関係性に注目したマーケティング
住民個々の目線に立って、そのニーズを発見対応し、個別対応のサービス提供をする事によって住民との間に強い絆を構築する。
そのサービスを受けた住民は、長くそのまちに住み続けるし、観光客なら何度も繰り返してそのまちを訪れる。まちによる住民の囲い込み。