韓国シンポジウム 感想編

南 健志

 まず最初の強烈な印象として、バスが空港から市街地に近づいたときにまず目に入ったのは、山腹に展開するおびただしい一連の高層団地群。

 後のシンポジウムで「釜山市内には可住地が少ないこと」、「山地部は国の施策でグリーンベルトとして開発が規制されていること」からの結果であることを知るのであるが、とにかくわが国には見られない異様な風景であった。

 翌日の現地見学で内部を見せてもらってまたおどろき。高層団地の密集とはうらはらに内部が100mはあろうかというゆとりの配置。エレベータは1台・1階あたり2軒も含めても日本には珍しい。

 次に市街地内部では、一転して中低層の建物と原色けばけばしい広告看板が印象的で、アジアの都市であるなとの率直な感想。

 シンポジウムでは、釜山市の熱意ある発表、質問に圧倒。今回行事の力のいれようがわかった。その後の懇親会にての"爆弾"には、国際親善・おもてなしの域を越えていて熱い歓待にさらに圧倒。

 地下鉄整備、高速道路整備、港湾整備など社会資本整備が各地で精力的に行われている。しかも建設費は日本よりも圧倒的に安い事業費で。(ただし、仕上げなどはやや雑か?)こんな街が日本の隣国にあることはほんとの意味で脅威。日本(もはや関西・大阪)が、街づくり・社会整備資本の仕組みを改革しないと、ぐずぐずしているうちにあっという間に抜かされてしまうのではという不安をぬぐえない。

 チャがルチ市場へ行き、漁港のにぎやかさに触れる。ちょっとまえの泉佐野漁港もこんな雰囲気だったかなと思う。漁港の街づくりとして、フィッシャーマンズワーフなどの小奇麗なスポットか、チャがルチのような泥臭い賑わいかどちらがよいのか改めて思う。

 一方で、ハワイのワイキキにも似たリゾートビーチ。風景は抜群、カジノもあるなどリゾート地としての要件がそろっている。この海が日本海とは思えない。一度シーズンにの賑わいをこの目で見て体感したい。

 街全体は、一言で言えば"雑然"。看板の色使い。ややメンテ不足の舗装。国際市場の店舗や露天商の賑わい。やや古い建物。一方で若者の衣装・風俗などは日本と同じ(携帯電話の普及が進んでいる)など、ごった煮の世界。日本からの近さもありもう一度ぐらいは訪問したいと感じる街であった。


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