地域デザイン研究会の釜山シンポジウムに参加して

(財)大阪府都市整備センター
 技術部長 阪本 朔生

日本はユーラシア大陸の「パチンコの受け皿」

高野 孟著「最新・世界地図の読み方」より

 8月27日、関西国際空港を出発し、1時間25分の飛行で釜山金海空港に到着し、釜山市役所国際会議室で「釜山・大阪の都市開発の方向」というテーマで3時間を越えるセミナーが熱心に行われました。都市政策の歩み、都市開発の方向、都市鉄道の政策など、OHPなどを使い、釜山市の街づくりだけでなく大阪の都市政策もよく理解できたと喜んでおります。

 翌日の大規模団地開発、地下鉄工事を視察し、自由時間を利用しての市街地のタウンウォッチングをしての感想ですが、1970年代〜80年代の大阪を見るようでした。郊外のニュータウンの建設、そこまでの地下鉄、高速道路の延伸が行われており、既成市街地の再整備は、これからの課題と思われます。

 さて、釜山市の安市長は、大阪と同じように"国際集客都市"をテーマに都市政策を進めようとされております。今回のシンポジウムの釜山市側で、種々コーディネートしていただいた金理事は、市長のアドバイザーをされており、私も7年を越える交友関係もあり、種々相談を受けております。

 私は、釜山市と大阪市は1500年におよぶ両国友好の歴史の中で、釜山浦、難波津として交流の窓口であったことを思い、今回のシンポジウムを契機に都市政策をテーマに市と市、市民と市民の交流が深まればと願っております。

 最近、読みました、高野孟さんの「最新・世界地図の読み方」に載っておりました地図を見ますと、各地の文化が日本に伝来した様子がよく分かります。今後は、日本が、大阪が発信基地となり、文化・学術など伝えていってはどうでしょうか。

 釜山市には、太宗台、海雲台海岸、東莱温泉、洛東江など多くの自然が残されており、この自然を生かしながら、釜山港移転などを契機に国際集客都市としての基盤整備、都市整備を進めていただければと願っており、今後、釜山と大阪の交流の中で地域デザイン研究会の都市計画専門家としての豊富な経験と知識をもって、アドバイスいただければ幸いと思っております。


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