釜山の印象

三浦昭爾

 地域デザイン研究会で釜山シンポジウムが開催されるとの連絡を受け喜んで参加することにしました。

 韓国への旅行は今回で2度目です。初回は今年5月、会社の社内旅行でソウルへ行きました。それまでは韓国に対して日本に対する敵視政策もあり、いやらしい国で文化度も低いと言う偏見を持っていて行きたいとも思った事はありませんでした。

 社内旅行なので否応なしに参加することになったのですが、行ってみて驚きました。

 ソウルは漢江の流れに沿った広々とした都市景観があり国際都市としての風格が感じられたからです。

 李朝の遺産も数多く残され観光資源も多く、更に韓国料理も日本で食べるものとは全く違った実に美味なものでした。

 また夜街を歩いても安全で東南アジアの雑然とした都市とは違った印象でした。

 それ以来韓国に対する思いが一変し、すっかり韓国ファンになってしまいました。

 と言う訳で釜山にも大きな期待を抱きました。

 金海空港から市内へ入って行く景色をわくわくしながら見とれました。山裾に広がる高層住宅の多さ、に驚く傍ら高さに比べ幅の小さ建物を見て耐震性が心配になりました。(釜山は岩盤の上にあり地震も少ないと聞いて安心しました。)

 また市内のいたる所で道路、地下鉄等の建設現場が目に付き、工事の少ない大阪に較べうらやましいかぎりです。なお基礎地盤が岩盤なので沖積層が主体の大阪に較べ仮設が簡易で工事費が安くつくと推定されます。ちなみに見学した地下鉄駅部は大阪の東西線北新地駅とほぼ同じ深さですが、土留は北新地駅では泥水固化壁(H杭500*300 @450)+ディープウエルなのに釜山地下鉄ではH杭横矢板工法(H杭500 @2500横矢板はコンクリート)だけで、工事としては易しいものと感じました。見積はしていませんが工事費は半分程と思われます。

 釜山はまだ工事中の場所が多かったせいでしょうか、少し雑然とした街だとの印象がありました。しかし工事費も安くつくことから社会基盤整備が意外と早く進むことも考えられます。その時は大阪をしのぐ街になっているかもしれませんね。

 釜山市内の観光は時間がなく殆んど出来なかったのが残念でしたが、その分もう1度釜山に来なければとの思いがします。また龍頭山公園にあった銅像が文禄、慶長の役に活躍した朝鮮の英雄李舜臣将軍像であったことを後で知りました。韓国に関してあまりにも無知で恥ずかしい限りで、次に訪れるまでにもう少し歴史や地理に関し勉強しておきたいと思っています。

 シンポジウムに対する意見がなくて恐縮ですが、何時か韓国の各地を巡り見聞録等会誌に載せられたらいいなと感じています。


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