大阪の都市基盤整備とProject

大阪府 藤田健二

 大阪府の藤田です。

 先ほど、地域Design研究会の平峯代表からもいろいろprojectを紹介されましたが、京阪神都市圏、ならびに大阪府、大阪市を含めました各種都市基盤整備やProjectが、この大阪にとりまして、どういう役割を果たしたのか、どういう意図を持って、どういう考え方でもってなされたのか、これらについて、commentをさせてもらいたいと思います。


大阪府主要Project Map→拡大図

 この絵は、大阪港を中心に描いているわけですが、学術研究、あるいは文化、あるいは産業、都市開発、広域基盤交通関係(鉄軌道含めまして)、それから、情報通信系、総数、現在計画決定され、または、事業されているのが、projectとして、183件、そのうち大阪府は80件です。

 大阪は、世界にまれなほど、急激なsprawlを受けたわけです。産業あるいは人口の集中というのがあったわけですが、公共が時代を先導したということで、その主なprojectについて、これからお話しします。

 6件ほど代表例があろうと思っています。

 一つは広域交通系です。都市部では、交通混雑の緩和、あるいは、急速に展開する都市地域の骨格を形成しようということで、「10大放射3環状道路」、先ほど紹介ありましたが、その整備がありました。それと、都市内、あるいは都市間を結ぶ都市高速道路を整備する、こういう交通基盤系。それと、もう一つは、郊外のNew Townの成立を成させるもの、あるいは、都心の連絡のための鉄軌道の整備していこうということで、都市構造の再編や、地域間連絡ということで、環状Monorailあるいは、地下鉄網の整備、こういうものが強化されていったわけです。

 府域への人口集中の先行的受け皿としては、new town , bed new townを作ったわけですし、府下の都市機能再配置をやろうということで、交通の要所要所では、流通業務団地を造成しております。

 特に大環状道路と強力に連携する大泉、久宝寺等の大規模広域緑地あるいは公園の整備に力を入れております。

 また、産業基盤としては、当然、港湾の整備、それと、重化学工業化を進めるということで、過去には堺泉北の臨海工業地帯の造成をやりましたし、特に湾岸域では、関西国際空港の整備、あるいは、それを支援するための臨空Townを整備しております。

 次には、特に道路・鉄軌道、それから広域緑地についてお話いたします。


道路網整備図→拡大図

 道路整備の件ですが、大阪府では、道路交通を3つに分けて考えています。「都市内」「都市間」それと、都市圏内外や府県間連絡のための「広域」この3つでもって、地域状況を踏まえながら、交通機能別に対応していこうという思想であります。

 特に文化や経済の中心であります、大阪都心部におきましては、膨大な発生集中交通がある。いうことで、平面部分では、高密な街路網を構築していくということと、また、都心部を通過する交通に対しては、高架の高速道路で対応する、この青の部分です。これで受け止めて、速やかに他地区へ導きながら、平面の道路交通を緩和するという思想であります。

 大阪市が巨大な都市であることによりまして、当然放射道路は発達するわけですが、それを強化するだけでなくて、環状方向に道路を造っていく、いうことで、内環状、中央環状、外環状いう形で、放射環状を整備するとともに、各都市間を連携していく。特に中央環状線という巨大なものを作り上げています。

 この中央環状線につきまして、ちょっと説明させていただきますと、最大幅員が120m、延長が55.8kmいうことでありまして、この中に大阪Monorailや、高速道路を抱き込んでいる。大規模の流通業務団地、北と東に、この部分と、この部分にあるわけですが、こういうものを構築していく、ということにも役だっていますし、大規模new town の誕生の支えにもなった、いうことであります。この大環状道路から、一つ大阪の交通を先行して都市圏を支えている、あるいは、大阪市を支えてきたと言えると思います。これが、今後とも大阪の経済、都市活動の大動脈として機能していくと思います。


将来鉄道網図→拡大図

 次は鉄軌道についてです。この鉄軌道整備図なんですけれど、1925年ぐらいには、この鉄軌道の基幹部分については、旧の国鉄、今のJR、それと民間鉄道を機軸にもって出来上がった、ほぼこの形はできておりますが、そのあと、特に高度成長期の1961年から70年の10年間にわたりまして、集中的に追加整備がなされておりますし、私鉄の都心部への乗り入れ、あるいは、地下鉄網の整備、この大幅な追加整備が都市化の進展に対応したということです。

 輸送力の増強の方は、特に民間主導で行われました。公共の方は、都市圏の再編整備、あるいは、都市構造の改変という観点から、新線建設、改築を行ってきております。

 特筆すべきことですが、千里New Townあるいは泉北New Town 、こういうnew town等大規模開発につきましては、常に幹線道路と一体で、鉄軌道整備をやってきた、いうことでございます。

 特に、道路の中に鉄道を抱き込んで一体整備でやっていくということが、cost downにもつながりました。

 さらに、南港Port Town 、大阪市内ですが、あるいは、大阪の北大阪での新しい開発、これにつきましては、街路整備と併せて、新交通systemあるいはMonorail 、最近では、都心に向けてのmini地下鉄いう形で、linear mortar car等の導入もやっております。

 Monorailにつきましては、先ほど詳しい説明がございましたので、省かせていただきますが、多くの鉄道と道路との踏切交差、これを連続的に解除するという、鉄道の連続立体交差事業も現在7カ所で行っております。

 このように、都市基盤整備として、道路、鉄軌道等基盤的なところに力を入れてきたのですが、やはり、大都市として、緑との関係ですね、緑のmodelというのが、極めて大事だと考えております。

 大阪府の場合は、1カ所500ha以上の大規模公園を、この図面で見ていただけるように、多数配置しておりますし、緑の考え方をできるだけ拡大して、捉えようということで、広域緑地計画を策定し、それを現実に施策として展開しております。


広域緑地網図→拡大図


みどりの将来網図→拡大図

 釜山市を見させてもらったところ、周辺の山系、あるいは丘陵部が多くあるわけですし、これをうまく都市づくりと一体となって、さらにつなげて、保全、保存をされることが望ましいのではないかと思っております。

 以上です。ありがとうございました。


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