都市鉄道と街づくり

(株)かんこう 新島健士
(前 京阪電気鉄道(株))

 「都市鉄道と街づくり」について報告いたします。

 現在、総合建設consultantで勤務していますが、2年前まで、30年間鉄道会社で鉄道整備に携わってきました。

 日本の鉄道は大きく分けて4つの category に分かれると思います。

  1.  旧国鉄を分割したJR各社
  2.  大阪市等の公営鉄道
  3.  第3セクター鉄道
  4.  純然たる民間鉄道

 京阪電気鉄道は、1910年開業。88qの営業距離で第12位の中規模の会社です。

 輸送人員は、1日約100万人。関連会社も擁し、沿線の総合的な生活支援産業です。

 沿線での街づくりは、経営基盤を固めることになります。既に、1928年には大阪都心から15q圏の香里園で大規模な宅地開発、あわせて、学校や有名寺院の関西別院等の誘致をし、総合的な街づくりをしています。現在でも、沿線唯一の高級住宅街になっています。

 1968年には、「くずはRose Town 」と名付け、花と緑の街を目指し、枚方市と八幡市にまたがる地区153haの大規模な住宅地を開発し、隣の住・都公団の男山団地と合わせ、京阪沿線最大の住宅地になっています。

 鉄道側の改良としては、既存の駅を大改造し、待避線を設け、列車の Speed 化に対応する駅をつくっています。

 また、琵琶湖 Rose Town をJR沿線で開発。開発に伴い開発者が新駅の建設費を負担し、new town の利便性を向上させています。

 一方、大阪都心で新線の計画をしています。これは、大阪市が考えている中之島地区の高度化を目指した都心の整備に合わせ、東西の交通軸を確保するものです。但し、都市内での鉄道建設は膨大な事業費がかかるため、民間だけでは不可能に近いです。運輸省や地方自治体に働きかけ、新しい鉄道事業のスキームを協議しています。

 ありがとうございました。


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