5.近年の民間活力導入型事業方式について

今中昌男

  近年の都市開発の事業方式がつくられた背景と、民間開発方式と言われる土地信託による開発例を紹介します。

  1980年代初頭には、日本では内需拡大と社会資本の整備が政策課題となり、都市開発に民間の資金を導入する開発方式が生み出されました。土地信託や借地方式が取り入れられ、これまでは都市開発に直接かかわりなかった銀行、生命保険会社が事業者として登場しました。

  そのような経済政策変更により、多くのprojectが行われたましたが、バブルの崩壊により中断したものも多くありました。その後、未だ経済の低迷が続いていますが、近年の税収の落ち込みにより、公共sectorの財政難が課題となっており、最近は、新しい事業方式が模索されています。代表的なものがPFI。できたばかりで効果がどうか未知数。

  また、現在の日本では、生産設備の廃棄、集約化により、数ヘクタール規模の工場用地が遊休化してきており、これを民間会社がどう利用していくかが大きな課題になっています。

  このような大規模な工場跡地の開発では、公共と民間の共同作業が必要不可欠であり、そのためには、それぞれが役割と責務を明確にして、事業に取り組んでいくことが必要。公共側では長期的な開発理論の提示と民間とのリスク分担が重要であり、そのためには、民間の事業意向を早い段階でとらえること。また、民間側では、経済変動に柔軟に耐えうる事業計画の立案が求められています。

  土地信託制度の例として、これは、Kid-plazzaという、大阪市から土地を預かり建物を建設したもの。市の公園と建物が融合した空間をつくっています。

  

  この建物の特色は、この低層部が大阪市の外郭団体が運営するamusement空間であり、この部分が民間が運営するstudio。こちらが市の公園で、公共施設と民間施設がうまく融合した施設になっています。現在、年間50万人の小学校低学年の利用者があります。

  ありがとうございました。


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